飯田章のMS51クラウンHT再生Proj.【5-2】旧車好きの代表が営むメッキ工場。再生に挑むのは長年自動車メーカーの仕事を行ってきたプロたちだ|1970年式 トヨタ クラウン HT(MS51)

ドアハンドルやミラーなど、分解できるものは分解して発注するのがルールのようだ。それができてないミラーなどは持ち帰って再分解することになった

機関、ボディと、レストアのための手を打ってきたMS51だが、今回は車体から離れ、外装パーツのリクローム作業を進めることにする。飯田章さんが思いを託したのは、静岡の「BBFヤマテ」。自動車メーカーの仕事を長年行ってきたプロたちが、傷んだバンパーやライトベゼルの復活に挑む!

【飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト 5-1 1970年式 トヨタ クラウン HT】

「自分も好きで旧車に乗っていて、クルマを通じて知り合った方々からメッキの仕事を頼まれることが多くなったんです。そこできちんとビジネスとして展開するようになりました」 と、経緯を話してくれたのは、代表。

クラウンから取り外したメッキパーツを手に、早速、飯田さんと工場長を交えて打ち合わせがスタート。持ち込んだパーツをBBFヤマテでは素材ごとに分類するのだが、今回はバンパーなどのスチール、フロントグリルエンブレムやテールレンズの枠などの樹脂、ヘッドライトベゼル、筆記体エンブレムなどのアンチモニー、窓枠の真ちゅうの4つに分けられた。

このように分けるのは、素材によって処理の工程や使用する薬品が違うからだという。

【画像19枚】エンブレムなどは、旧車でよく使われていたアンチモニーと呼ばれる材質。ホイールのような大きなパーツは、このような大型機械に載せられて各工程を進む



>>仕上げの明暗を分けるのは、下地処理の良し悪しによるところが大きい。まずは機械で大まかにパーツ表面の古いメッキを落としていく。


>>古いメッキを落としたら、今度はバフを使ってペーパーの目を消していく。鏡面にまで仕上がったら、いよいよメッキの工程に入るのだ。


>>下地処理の終わったホイールは、ニッケル、銅、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロームと、多くの浴槽に浸かり、その表面に酸化被膜を重ねていく。

【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト 5-1 1970年式 トヨタ クラウン HT(全3記事)

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text Akio Sato/佐藤昭夫 Photo: Ryota Sato/佐藤亮太 Cooperation; Top Secret/トップシークレット

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