飯田章のMS51クラウンHT再生Proj.【7‐2】できるだけ新車当時の純正色が出せるように|1970年式 トヨタ クラウン HT(MS51)

乾燥の合間に、塗装ブースに入ってボディの表面を真剣にチェックする飯田さん

前回、いったんエンジンの始動を行ったが、その際、冷却系からの水漏れがあった。そこで、原因究明のために冷却系をチェック。すると、ウオーターポンプ、ラジエーター、ヒーターなどから水漏れがあり、修復がスタート!

レース界のニューリーダー・飯田 章さんが、自分のセンスと眼力、そして業界でつちかった人脈を駆使して自分のクラウンをレストアする工程を追う「クラウン再生プロジェクト」も、いよいよ終盤戦! 今回はついに、ボディの塗装工程に突入した!

【飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト 7-2 1970年式 トヨタ クラウン HT(MS51)】

前回、問題点として残ったのは、Cピラーとリアパネル。Cピラーははく離作業の中で、鉄板のつなぎ目として使われていた真ちゅうロウも削り取られたため、ピラー全体が波打って見えるようになってしまっていた。その波はパテで整えることで解消し、ハードトップならではの美しいラインを再生することに成功した。リアパネルのほうは、パネルの裏側に鉄板を貼って補強した後に引っ張り出し、本来の形状に復元したそうだ。

今回の作業は、プライマー→サフェーサーを吹いて下地作りが進められたボディに、ついに色を吹く。もともとの純正色だったシャンティゴールドメタリックでのリペイントを考えた飯田さん。だが、さすがに当時の塗料データは残っておらず、ここはトップシークレットⅡボディワークスの森崎成人さんが、調合によって純正色を再現。

「ベースはイサムペイントのトヨタ583という色です。これにほかの色を混ぜて、エンジンルームなどに残っていた新車当時の純正色に近いものを作っていきました。時代によってメタリックの大きさや光り方が違うことボディカラーは計6度塗り重ねられた。「仕上げるのが難しい色でした」と、担当した森崎成人さんのコメント。を意識して、できるだけ古い感じが出るように心掛けました」

【画像18枚】時代によってメタリックの光り方は違う。できるだけ古い感じがでるように塗装。ボディカラーは計6度塗り重ねられた。「仕上げるのが難しい色でした」と、担当した森崎成人さんのコメント


>>1度目のクリアコートを塗り終わったクラウン。ボディ全体にツヤが出ていて、この後しっかり乾いたことを確認して、2度目のクリアコートに取りかかる。完成はもうすぐ!


>>ボディカラーのあとは、クリアを吹く。クリア3に対して硬化剤1、さらに硬化剤の20%にあたるシンナーを混ぜたものを使う。これも一度に厚塗りすると垂れてくることから、薄く2度に分けて吹いていた。



【2】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2019年6月号 Vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト 7-1 1970年式 トヨタ クラウン HT(MS51)

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photo: Takashi Akamatsu/赤松 孝 Cooperation; Top Secret/トップシークレット

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