「後期のデザインが好みなんです」これまで所有した4台のコスモスポーツはすべてホワイトの後期型|2台のマツダ コスモスポーツと暮らす【2】

コスモスポーツのほかにポルシェターボやビート、RX-7などを乗り継いできたスポーツカー好きというオーナーと1971年式、1972年式のいずれも後期L10Bとなるコスモスポーツ

       
【1】から続く

同じクルマを2台所有する……。一般的には理解しがたいが熱心な旧車ファンにしてみればうらやましい限りだ。持論を貫き2台のコスモスポーツを所有するオーナーに迫る。

【2台のマツダ コスモスポーツと暮らす vol.2】

コスモスポーツは、誕生から50年経過する現在も高い人気を誇り、当時の技術力の高さが再評価されている。そしてマツダ社内では若い技術者を中心に社内レストア車両を完成させるなど、技術伝承にも取り組んでいる。

オーナーがコスモスポーツに目覚めたのは、学生の頃。走り去るテールランプにひと目ぼれし、「いつかはあのクルマに乗る」と決意した。そして20年ほど前、やっとの思いで購入。

しかし格安だったためボディはサビがありエンジンも不調で、フルレストアしたものの結局満足することができず手放すことに。そんな苦い経験を生かし、その後はオーナーズクラブのメンバーから譲ってもらうことにした。現在の愛車(71年式)は自身3台目のコスモスポーツで、4年ほど前に入手。そして約1年後には、すでに1台所有しているにもかかわらず4台目(72年式)を購入。

「クルマは一台一台違う。だからいろいろなコスモスポーツに乗ってみたい」という持論を持つオーナーは、代替えではなく複数台所有することを選択したのだ。

ちなみにオーナーがこれまで乗ったコスモスポーツは、すべてホワイトの後期型。これに関しては、「前期よりも後期のデザインが好みなんです。ボディカラーはホワイト以外考えられないですね」と話す。2台のコスモスポーツに囲まれて、これからも楽しいカーライフを送っていくことだろう。

【画像23枚】左右のシート後方肩口に設置されている純正オプションで設定されていたクーラーなどのディテール。後期はインテークの拡大やホイールベースの延長などが特徴ではあるが、このほかカラードのフェンダーミラーと横長のウインカーを装備していたのも多くの車両の外観上の違いとなっている(一部メッキミラーや丸ウインカーがある)


1972年式 マツダ コスモスポーツ



>>室内はほぼオリジナル。ただ、助手席膝もとには社外クーラーを設置。前期のシートは赤系の千鳥格子柄だったが、後期では黒系に変更。この個体は、よく似た生地で張り替えてある。


>>この個体は前オーナーからエンジンオーバーホール済みで譲ってもらったため、トラブルは皆無。青のエアクリーナボックスは後期のみで、形状も前期用とは異なる。



1972年式 マツダ コスモスポーツ

全長4130mm
全幅1590mm
全高1165mm
ホイールベース2350mm
トレッド前/後1260/1250mm
最低地上高125mm
車両重量960kg
乗車定員2名
最高速度200km/h
登坂能力tanφ0.553
最小回転半径5.2m
エンジン型式10A型
エンジン種類水冷2ローター・ロータリー
総排気量491cc×2
圧縮比9.4:1
最高出力128ps/7000rpm
最大トルク14.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389
最終減速比4.111
燃料タンク容量57L
ステアリング形式ラック&ピニオン
サスペンション前/後独立懸架筒型複動オイルダンパー・コイルバネ/筒型複動オイルダンパー半楕円形板バネ
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも155HR15ラジアル
発売当時価格158万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



2台のマツダ コスモスポーツと暮らす(全2記事)


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【1】から続く

photo: Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) Cooperation : 池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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