「タバコ・コーナー」や「ボー・リヴァージュ」など、往年のモンテカルロ・ラリーで使用されていたルートを走ると|1970年式ダットサン240Z【3】

みごとモンテカルロのゴールステージに上った横田館長とモンテ仕様240Z。約1年が経過したが、あの日の感動は忘れられない

       
【2】から続く

「光陰矢の如し」とは、よく言ったもの。昨年2月「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」館長、横田正弘さんとともにモンテカルロ・ラリーのクラシック版「ラリー・モンテカルロ・ヒストリーク2018」の興奮と感動を共有してから、あっという間に1年の月日が経過してしまったことになる。

【Zの名を残す者 1970年式 ダットサン 240Z vol.3】

この240Zのチューンは、雪道でのドライバビリティや信頼性を考えて、SUキャブ2連装による標準型エンジンに4速MTの組み合わせ。つまりはノーマルのまま。ところが、例えばF1モナコGPコースの「タバコ・コーナー」や上りストレート「ボー・リヴァージュ」など、往年のモンテカルロ・ラリーでも使用されていたルートを、フラットブラックに塗られた長いノーズや、当時モノのラリーメーターなどで武装されたインパネ越しに見ながら走ると、モンテ気分が否応なしに高まってしまったのである。

 横田館長は、その後2019年4月19〜22日開催の「ラ・フェスタ・プリマヴェラ2019」を皮切りに、国内各所で行われるクラシックカー・ラリーイベントに、この240Zモンテ・レプリカとともに参加している。

【画像15枚】オリジナルのモンテ240Zさながらの「オーラ」を感じさせる純正色の赤でぺイントされた一台



>> 1972年のモンテ出場車のL24型エンジンは、ソレックス44PHHを3連装で220psを発生したが、このレプリカではドライバビリティを考えて、SUキャブ2連装による標準型のチューン。変速機は4速MTを組み合わせる。


>>助手席側の足もとには、こちらもレギュレーションで義務付けられた消火器を装備する。

>>ドライバー/ナビゲーターともにヘッドセットを装着。ノーマルエンジンを搭載するこの車両は決してノイジーではないのだが、やはり長時間にわたる競技では「must」というべき装備だろう。

>>レギュレーションで許されたものについては、現代の計測機器も装備する。

OWNER’S VOICE/18歳の時からのラリー・モンテ出場の夢をついに実現

少年時代からS30Zにあこがれ、自ら主宰する「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」には4台を所蔵する生粋のZ愛好家。自ら「ラリー・モンテカルロ・ヒストリーク」に出走し、その車両とともに故郷・前橋に凱旋するという、18歳の時にオリジナルのモンテ240Zを見て以来、長らく温めてきた夢を実現した。



1970年式 ダットサン240Z(HLS30)


全長4136mm
全幅1630mm
全高1286mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1356/1347mm
最低地上高165mm
室内長820mm
室内幅1390mm
室内高1075mm
車両重量1066kg
乗車定員2名
最高速度205km/h
エンジン型式L24型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量2393cc
ボア×ストローク83.0×73.7mm
圧縮比9.13:1
最高出力151ps/5600rpm
最大トルク20.1㎏-m/4400rpm
変速比1速3.59/2速2.25/3速1.42/4速1.000/後退3.66
最終減速比3.36
燃料タンク容量65L
ステアリング形式ラックアンドピニオン
サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも175HR-14
発売当時価格3526ドル


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 ダットサン 240Z(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:HiromiTakeda/武田公実 photo:Ryota Sto/佐藤亮太 Cooperation:伊香保おもちゃと人形 自動車博物館

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