「私はオリジナルにこだわって」水洗いはせず、雨の日は走行しない。オーナーの徹底的な管理|1975年式フェアレディZ【2】

特徴的なツーテールのリアランプ。バンパー下のリアアンダーパネルにいくつかのホールがあるのも中期の特徴。ドア下のフロア付近も新車のように輝いている。

       
【1】から続く

2015年、ノスタルジック2デイズに極上でノーマルのフェアレディZが展示されることを知ったこのクルマの現オーナーは、すぐに受話器を手にして広島の井原自動車に連絡を入れていた。

【1975年式 日産 フェアレディZ vol.2】

今回のクルマを改めて見ると、エンジンルームにあるエアクリーナーボックスの位置がラジエーターの前に配置されているのが分かる。キャブレター仕様はエアクリーナーボックスが内側に配置されているのだ。後期モデル同様にマフラー形状が大きく変わり、排ガス規制適合車であることが分かる。

【画像18枚】Z432が履いていたマグネシウムホイールデザインを復刻させたパーツアシストのアルミホイールと当時パターンを再現したADVAN HF Type Dのセットとなる足元など

フェアレディZはそのクルマとしての特性から、オリジナル状態を維持しているクルマも少なく、今回のような希少性のある個体が当時の姿で残っていることはとてもまれだ。

「フェアレディZはいじってあるクルマが多いので、私はオリジナルにこだわっていました。何年も探しましたが、ここまでのクルマに出合うことはありませんでした」と井上さんは語る。

クルマを手に入れてからはホイールとタイヤを交換。ホイールは当時のフェアレディZ432が履いていたマグネシウムホイールを模した復刻モデル。タイヤは当時のパターンを再現したものを履かせている。手をかけるのはこれで一旦終了。あとは現状を維持し、オリジナル状態で残していくだけだという。水洗いはせず、雨の日は走行しない、とその思いは徹底している。



>> ノーマル状態を当時の美しさのままキープした室内空間。ダッシュボード、シート生地、シフトカバーなど、新車のごとく光り輝いている。
 



1975年式 日産 フェアレディZ(A-S30)


全長4115mm
全幅1630mm
全高1295mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1355/1345mm
最低地上高150mm
室内長820mm
室内幅1390mm
室内高1075mm
車両重量1115kg
乗車定員2名
登坂能力tanθ0.46
最小回転半径4.8m
エンジン型式L20E型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7㎜
圧縮比8.6:1
最高出力130ps/6000rpm
最大トルク17.0㎏-m/4400rpm
変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/後退3.657
最終減速比3.900
燃料タンク容量65L
ステアリング形式ラックアンドピニオン
サスペンション前後ともストラット式独立懸架・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45H14-4PR
発売当時価格137万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1975年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

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【3】へ続く

text : Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo: Kiyoshi Nishino/西野キヨシ

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