32ps仕様! エンジンを後期型SSグレードのツインキャブ仕様に換装したフェロー|1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス【2】

初代フェローは、コストダウンが図られる前の、古い初期型の方がインテリアのクオリティーが高い。で、ハンドルやドアノブ等は、すべて初期モノに交換。

       
【配電盤カラーの異色フェロー  1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス Vol.2】

フレンチクラシカルなスクエアなボディに、角形のヘッドランプ。ジェントルないでだちの初代フェローは、ノーマルで乗る愛好家が多いモデルだ。このクルマも基本はノーマル然。しかし実態は、エンジン、足まわり、内外装にもコダワリがある、普通じゃないカスタムフェロー。異色の360ccを、とくとご覧あれ!

【1】から続く

 エンジンは、シングルキャブ仕様となるノーマルを、後期型SSグレードのツインキャブ仕様にまるごと換装。25psほどが標準だった当時の軽自動車の中にあって、圧倒的なパワーを誇ったホンダN360をも上回る、32psを発生させる。純正仕様のスポーツエンジンだから、耐久性はメーカーの折り紙つきだ。パワー効率のいい2サイクルエンジンを遠慮なく回して走れるところが360チューンのいいところ。その痛快なフィーリングはフェラーリ308やポルシェ930ターボ、BMW635CSiなど、さまざまなクルマを所有するKeiさんに、「走らせる面白さは、コイツが一番かも」といわせるほどだ。

 パワーを支える足まわりも、コダワリが強く感じられるチューニングポイント。コイルを2巻半カットして下げた車高は、スタイリングはもちろん、パワーアップに伴う駆動系のストレスを軽減させることも狙いとしている。FR駆動となるフェローのドライブシャフトは、標準車高のままだと水平ではなく立ち気味で、ユニバーサルジョイントにかえって負荷がかかるそうだ。一方、約90mmダウンとなるこのフェローの車高は、ドライブシャフトがほぼ水平になっている状態。安定感があってカッコよく、しかもクルマに優しい車高なのだ。

>> 【画像22枚】実は初期、中期、後期のサンコイチ車両となっているこのフェロー。ボディの良かった中期をベースに、内装は質の高い初期を、エンジンはパワーのある後期のSS用を使ぜいたくぶりだ



>> シフトレバーの奥に、さりげなくSSグレードのタコメータが設置されている。ちなみにSSとSDVのメーターパネルのデザインは全くの別物。





>> シートは全席変更なし。クラシカルな純正を貫いている。

1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス

SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:オールペイント
● エンジン:ZM型(フェロー SS用ツインキャブエンジン)
● 吸排気系:フェローSS純正ソレックスツインキャプ、
ワンオフチャンバー
● 燃料系:S8用電磁ポンプ
● サスペンション:バネ加工
● ブレーキ:ノーマル
● インテリア:初期型ハンドルv
● タイヤ: ヨコハマ
● ホイール:純正ペイント


【3】に続く


初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス(全3記事)

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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