「この色はいっぺん塗ってみたかったんじゃ」フェローの塗装工賃はラーメン3杯と焼肉1回|1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス【3】

32ps仕様をスワップした、配電盤カラーの異色フェロー

       
【配電盤カラーの異色フェロー  1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス Vol.3】

フレンチクラシカルなスクエアなボディに、角形のヘッドランプ。ジェントルないでだちの初代フェローは、ノーマルで乗る愛好家が多いモデルだ。このクルマも基本はノーマル然。しかし実態は、エンジン、足まわり、内外装にもコダワリがある、普通じゃないカスタムフェロー。異色の360ccを、とくとご覧あれ!

【2】から続く

 さらに、チームTomitakuのメンバー車にふさわしいカスタムポイントが、アマチュアペインターの巨匠、ヘンカタさんの手によるオールペイントだ。このフェローの、シックにしてどこか華を感じさせる格調高い色の正体が分かるだろうか? 正解はなんと、配電盤の標準色。それにしても、なぜ配電盤の色なのか? その理由をヘンカタさんに聞いてみると、

「この色はいっぺん塗ってみたかったんじゃ」と話す巨匠の指定色。

「希望は水色だったんですが、この色じゃなきゃ塗っちゃらんとヘンカタさんがゆーもんで。なにせ塗装の工賃はラーメン3杯と焼肉1回。逆らうようなことは絶対にいえません(笑)」


 そう話すKeiさんにとってこの配電盤の色は、大のお気に入りカラーになってしまったそうだ。
 チューニングやカスタムのすべてを、ヘンカタさん宅のガレージで行っているKeiさん。カスタムの発想は奇想天外。でもクルマへの思いは、だれよりも強い。そんなヘンカタさんなしに、今のフェローの魅力はないことを、Keiさんは誰よりも知っている。

>> 【画像22枚】ボディと同色にペイントされたホイールに、クロームのホイールカバーを装着するエクステリアなど。エンジンは空冷式のZL型を水冷化して作られたZM型。標準の23psに対し、ツインキャブ仕様で32psを発生する




>> エンジンはソレックスを装着した後期型SSグレードのツインキャブ仕様に載せ替え。最高速度115km/hのパフォーマンスを得た。





>> デンソーのGTコイルを装着。


OWNER

これまで所有したクルマは30台以上のKeiさんは、生まれながらのカーマニア。1968年式となる愛車のフェローは、実はKeiさんと同い年。走らせる時は常にアクセルをベタ踏みで、「まだまだ現役、甘やかせたらいけんです(笑)」




1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス

SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:オールペイント
● エンジン:ZM型(フェロー SS用ツインキャブエンジン)
● 吸排気系:フェローSS純正ソレックスツインキャプ、
ワンオフチャンバー
● 燃料系:S8用電磁ポンプ
● サスペンション:バネ加工
● ブレーキ:ノーマル
● インテリア:初期型ハンドルv
● タイヤ: ヨコハマ
● ホイール:純正ペイント




初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダイハツ フェロー スーパーデラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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