セミワークス「スクーデリア・ニッサン」が関わったか? PGC10レーシングカー【1】1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R レーシング仕様

当時のサーキットで戦った、PGC10レーシングカー

       
日本のモータースポーツの世界で、無類の強さを発揮し、伝説となったスカイラインGT-R。
その当時を走ったレーシングカーが動態保存されているのは、かなり珍しいケースだ。
1970年代の空気感すら閉じ込めた、生きる伝説のオーラに迫る!

【 1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R レーシング仕様 Vol.1】

 日本のレース史における伝説となっているスカイラインGT‐R。ご存じの通り、初代は4ドアセダンのPGC10スカイライン2000GT‐Rとして登場。レースのデビュー戦となった1969年5月3日のJAFグランプリTSレース(富士)を勝利で飾った。

 1971年にはホイールベースを短縮した2ドアハードトップのKPGC10へとスイッチ。同年3月の全日本鈴鹿自動車レース大会から実戦投入された。ライバルたちとの激烈な名勝負を繰り広げながら、無敵の強さを発揮したワークスGT‐Rは、通算52勝という金字塔を打ち立てたのである。

 今回取材した1969年式のPGC10スカイライン2000GT‐Rは、当時のレースを実際に走っていたレーシングカーそのものだ。残念ながら、はっきりとした素性までは分からないが、当時日産のセミワークス的な存在であったスクーデリア・ニッサンが製作に大きくかかわっていたようだという。

>> 【画像22枚】当時のレース用ワンオフのタコ足のようで、フランジとの取り付け部分には補強がある。また、6-2集合部分までの長さを変えることで、エキパイの長さを等長にしているようだが、あまり見かけないタイプだ





>> リアのオーバーフェンダーはリベット留めではなく、そもそもオーバーフェンダーを取り付ける前提で、リアドアパネルが一体で作られている。





>> リアフェンダー側も同様で、インナーフェンダーからアウターパネルまで、ワイドフェンダーのつなぎ目すら見られない。

1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R レーシング仕様(PGC10)

Specification 諸元
●エクステリア : FRPボンネット/フロントフェンダー/ドア/トランク/オーバーフェンダー/レーシングジャケット/リアスポイラー、アクリルウインドー
●エンジン : S20型(K2ヘッド)レース仕様、ウエーバー45DCOE、レース用エキゾースト&サイド出しマフラー
●駆動系 : 71Aミッション(OP1)、R192デフ(ファイナル4.6)
●足回り : 前後ともレース仕様
●ブレーキ : (F)MK63キャリパー&ベンチレーテッドローター (R)ドラムブレーキ
●内装 : マッハステアリング、ワンオフレース用メーターパネル、レース用ワイドミラー、ダッツンバケットシート、5点式フルハーネス、4点式ロールバー
●ホイール : レース用ワイドホイール(スチール)
●タイヤ : ダンロップ レーシングCR92 (F)200/590-14 (R)230/600-14



【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R レーシング仕様(全3記事)

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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