クーラーだけじゃない! 一年を通じてストレスなく乗り回すことができるハコスカGT-R【3】1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R

インテリアはご覧のとおり、木目のメーターパネルも含めて上質なコンディションを保っている。ステアリングはダッツンコンペにGT-Rホーンボタンの組み合わせ。

       
「旧車イコール夏場の灼熱地獄」と相場は決まっているが、汗をダラダラ流しながら運転しているのは
けっしてスマートな姿じゃない。それならば現代の快適装備をうまく利用して旧車をセットアップすれば
だれもがあこがれる「通勤快速仕様」のGT-Rが作れるはず。それを実現した1台を紹介しよう。

【 1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.3】

【2】から続く

 このほかにもGT‐Rとしての走りを強化するモディファイも行われ、駆動系ではトランスミッション71Aをオーバーホール、クロモリ材フライホイール、レース用クラッチカバーの装着、足回りではカヤバ製8段調整ショックアブソーバー、コイルはフロント4.5kg、リア18kg/mmを選択している。
 旧車に現代の技術や製品をうまく組み込むことで、一年を通じてストレスなく乗り回すことができるのだ。


>>【画像18枚】エンジンルームに鎮座するヘッドカバーが赤く塗装されたS20型エンジンなど。主機は過去にGT-R専門店でオーバーホールされているようで、φ83.5mmの鍛造ピストンが組み込まれ、キャブレターはφ44mmのソレックスが3個装着されている。クーラーユニットは、汎用品をベースに、軽自動車用のコンプレッサーを組み合わせるなど、S20型とマッチするようにいろいろと工夫されている




>> 4つの丸形メーターは左にタコ、右にスピード、中央上が水温、下が油圧の配置。





>> 2000GTのエンブレムが付くセンターコンソールの2つのメーターは、左が電圧、右が燃料。その右隣には大森メーター製の追加メーターを装着。左が油圧、右が油温の組み合わせ。


1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)


Specification 諸元
全長 4395mm
全幅 1610mm
全高 1385mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1370 / 1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1775mm
室内幅 1300mm
室内高 1120mm
車両重量 1120kg
乗車定員 5名
登坂能力sinθ 0.490
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.853 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 (OD)0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後 ストラット・コイル / セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45H14-4PR
発売当時価格 150万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(全3記事)

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【1】【2】から続く

PHOTO : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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