ランボルギーニ・カウンタック:新旧比較試乗でわかった、変わるものと変わらないもの。

ランボルギーニ・カウンタック:新旧比較試乗でわかった、変わるものと変わらないもの。

       

 新型カウンタックのベースとなったのはアヴェンタドール、そしてシアンだ。V12エンジン単体でアヴェンタドール・ウルティメと同じ780psを発揮。組み合わせるスーパーキャパシタのアプリケーションにも変更が加えられ、ISRミッションによるオートマティックドライブもいっそう快適に制御できるようになったという。特徴的なエグゾースト系をみても、排気まわりなどパワートレーンにかなりの変更が加えられている。そのほか3Dプリント技術で作られた可動式ヴェントや、ペリスコピオを彷彿とさせる偏光式ルーフも技術的な注目点だろう。
 もちろん、新型カウンタック最大の注目点はそのスタイリングにある。なるほどカウンタックらしい存在感を十分にかもし出しており、それがゆえにマニアの間では賛否両論が沸き立った。賛成はもちろんのこと、反対意見にも深いカウンタック愛が込められていたと言っていいから、偉大なネーミングである。
 「マルチェロ・ガンディーニのスタイリングを超えていない」。否定派の代表的な、そしてなるほど真っ当なご意見だろう。もっとも、チーフデザイナーのミッティア・ボルカートはオリジナルカウンタックの熱狂的なファンで、ガンディーニを超えることなどハナから考えていなかったはず。逆説的にいえば簡単に超えることのできるスタイリングをあえてリバイバルさせる必要もない。
 オリジナルデザインを超えることができなかったからといって、LPI800-4にはカウンタックと名乗る資格がなかったと果たして言えるだろうか? そうは思わない。それどころか、メカニズムがアヴェンタドール〜シアン系であることを知った瞬間に、やっぱりこのクルマもまた「カウンタック」であったと確信した。
 なぜならばLPI800-4がカウンタックの由緒正しき血統=カウンタックをカウンタックたらしめる要素、をしっかり受け継いでいたからだ。さらにいえば、カウンタック以降の全フラッグシップモデル=ディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドール、そしてそれらの派生モデルは全て「カウンタック」だったと筆者は思っている。事実、アヴェンタドールに乗っていて、「これカウンタックですよね!かっこいい」、などと話しかけられたこともしばしばだった。



 

photo:小林邦寿、text:西川 淳

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