ランボルギーニ・カウンタック:新旧比較試乗でわかった、変わるものと変わらないもの。

ランボルギーニ・カウンタック:新旧比較試乗でわかった、変わるものと変わらないもの。

       

1971年3月のジュネーブショー。今となってはランボルギーニ随一のクラシックモデル、ミウラP400SVがデビューを果たしているが、おそらくその時は見慣れた少し古いモデルとしてさほど目立たなかったに違いない。豊作だったこの年のジュネーブショーにおいて、メディアや来場者の注目を独占したのは同じく猛牛エンブレムを持つ、けれども見た目には全く異なるモデルであった。

【画像6枚】新旧2台のランボルギーニ・カウンタックを比較する

 その名もカウンタック(クンタッチ)LP5000。黄色にペイントされたそのモデルは正しくコンセプトカーの類であり、あの日あの時その姿を初めて見た人はおそらく、たとえ専門家であったとしても、否、であれば尚のこと、こんなスタイリングのクルマが近い将来に市販されるとは露ほども思わなかったに違いない。カウンタックのカタチはそれほどまでに非現実的であった(いまだにそうかもしれないけれど!)。

 サンタガータは“本気”だった。73年のジュネーブショーにプロトタイプのLP400(#1120001)を発表。翌年には小変更を加えて生産を始めたのだった。
 昨年2021年はちょうど生誕半世紀の年となり、新型コロナ禍にもかかわらず、「50歳」を祝うイベントが世界各地で開催された。なかでも極め付けだったのは夏のモントレーカーウィークにてデビューした「新型」カウンタックである。
 カウンタック復活のプロジェクトは発表のわずか一年前に始まったという。カウンタックプロトタイプのデビュー50周年に向け、本社として何かしらの祝砲を打ち上げておきたい。それはミウラ40周年の時と同じようにワンオフのコンセプトカーでもよかったはずだったが、チェントロ・スティーレ(デザインセンター)を率いるミッティア・ボルカートはプロダクションモデル、つまり実際に公道を走ることのできるモデルのデザインにこだわった。彼の想いに、当時エンジニアリングチームを率いていたマウリツィオ・レッジアーニが呼応する。毎朝少人数のミーティングが繰り返され、デザイナーとエンジニアが一丸となって21世紀のカウンタックは完成した。



photo:小林邦寿、text:西川 淳

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