ダットサン 240Z モンテカルロラリー仕様【5】本当に決まっていなかったスタート地点。ダットサン240Zは、ひと足先にフランスへ|ラリー・モンテカルロ・ヒストリックへの道

240Zはフランスのル・アーヴルへ

       
プロジェクトの発足から約1年。2017年12月22日。ついに240Zが船積みされることになった。目的地はフランスのル・アーヴル。そしてラリーのスタート地点はランスに決定。

【ダットサン240Zは、ひと足先にフランスへ】

「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」の横田正弘館長が、1972年「モンテカルロ・ラリー」で総合3位に優勝したダットサン240Zを完全再現したレプリカ車両とともに「ラリーモンテカルロ・ヒストリック」に参戦する。この壮大な挑戦に感銘を受けた本誌では、マシンの製作段階から密着取材を行ってきたが、いよいよ2018年1月末のスタートに向けて大詰めを迎えることになった。

 博識なる本誌読者諸兄には既に周知のことかもしれないが、1995年以前のモンテカルロ・ラリーでは、それぞれ1000km以上も離れたヨーロッパ各都市からモンテカルロに参集する超長距離リエゾン「パルクール・デ・コンサントラシオン」が設定されていた。現在のWRC戦では廃止されてしまった、その古き良き伝統を「ラリーモンテカルロ・ヒストリック」では再現しているのだが、これまで当コーナーにおいては、スタート地点についてはお知らせしてこなかった。

 それは読者の皆さんの関心をひきつけようとしてもったいぶっていた、などということではなく、本当に決まっていなかったから。しかし、11月も下旬になって、ようやく主催者、モンテカルロ・ラリーやF1モナコGPのオーガナイザーでもある「モナコ王立自動車クラブ(ACM)」から「エントリー」を正式に受理したという返答を受け、そこには仏シャンパーニュ地方ランス(REIMS)、かつてF1フランスGPも行われていたサーキット跡地も遺る町がスタート地であること、およびゼッケンナンバーが「15」であることも記されていたのだ。


>> 【画像5枚】フランス行きのコンテナにローディングなど。コンテナにはタイヤ等機材類も積み込まれている

 かくして、ついに「ラリーモンテカルロ・ヒストリック」への切符を得た横田館長のダットサン240Zは、最終的な整備を受けたのち12月12日に横浜港から出発し、約1カ月の船旅を経てフランスの港湾都市、ル・アーヴルに到着することになっている。一方の横田館長も、地元群馬で開催されたJAF公認の本格的ナイトラリーに参加。フランス/モンテカルロでの本番に向けて十分な腕慣らしを済ませていることは、これまで当コーナーでお知らせしてきたとおりである。

 そして筆者も、サポートメンバーとして館長とともにフランスに飛び、密着取材を続行することが決定している。おそらく次回はル・アーヴルでの車両引き取りから「ラリーモンテカルロ・ヒストリック参戦記」第一報をお届けできると思われるので、ぜひともお楽しみにお待ちいただきたい。




 >> コンテナにしっかりと固定された240Z


OWNER’s VOICE/横田 正弘さん



言わずと知れた「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」館長にして、「スプレンドーレ」系イベントの主宰者。また自身も世界中のラリーで活躍するなど、日本旧車界を代表する一人。今季はこのS30フェアレディ240Zとともに、ラリーモンテカルロ・ヒストリックに挑戦する。


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ラリー・モンテカルロ・ヒストリックへの挑戦へのルーツ(全1記事)

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text & photo:HIROMI TAKEDA/武田公実 PHOTO:MASAHIRO YOKOTA/横田正弘

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