愛車のハコスカに乗って日本中を旅して回ることがたのしみ|1972年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.2

走行距離は33万kmを突破。きれいにするためのレストアには興味はなく、「ちゃんと動けばそれでいい」というのがオーナーの方針だ。

       
1957年から1974年までの間、ヤナセではプリンス車の販売を行っていた。そのヤナセでハコスカを新車で購入し、今なお乗り続けているオーナーだ。ほぼ半世紀に近い時間をかけて紡いできた、愛車ハコスカとの物語を紹介しよう。

【1972年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.2 ワンオーナーズヒストリー】

【1】から続く

 そんなオーナーにとって、目下最大の楽しみは、愛車のハコスカに乗って日本中を旅して回ることだ。

「老骨に鞭を打って、東北を一巡したり、6泊8日で西日本縦断の旅に出たり(笑)。ハコスカは定期的に点検や整備も行っていますから、基本的には絶好調なんですけど、やっぱり雨や湿気には弱いんです。東北に出かけた時もセルの不調でエンジンがかからなくなった時がありました。そういう時は、永年会員になっているJAFの出番です(笑)。地元の整備工場にけん引してもらったところ、年配の社長さんが『こういうのは昔の経験が生きるんです』といってプラグワイヤーをドライヤーで温めてくれて、解決しました。そういう旅先での出会いも楽しみのひとつです」

>>【画像22枚】純正シートのままで、使い込んでいる割にはシートトリムの状態は良好な前席および後席など。長旅に備え、運転席はパッドを敷くなど工夫をしている



>> パワステなし、エアコンなしのいわゆる旧車らしい装備だが、オーナーは「燃費にいいし、鍛えているから平気」とまったく苦にしていない様子。使い込んだステアリングが年季を感じさせる。





>> センターコンソールに収められているのは、クラリオンの8トラックカセットデッキ。時代を感じさせる装備だ。





>> 「このクルマで旅に出ると、いろんな人が声をかけてくれたり、激励してくれるんですよ」と、笑顔で語るオーナー。「現在力を入れているのは、これまでのラグビーのご縁で『2019年ラグビーワールドカップ釜石開催(2019年9月25日、10月13日)』を成功させること。もう1つは、『日本の自動車文化を考える議員連盟後援会』の事業に微力ですが協力していきたいと考えています」



1972年式 日産 スカイライン 2000 GT(GC10)


Specification 諸元
全長 4400mm
全幅 1595mm
全高 1390mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1325 / 1320mm
最低地上高 170mm
室内長 1755mm
室内幅 1300mm
室内高 1110mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 170km / h
登坂能力 tanθ0.56
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 L20型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 8.6:1
最高出力 115ps / 5600rpm
最大トルク 16.5kg-m / 3600rpm
変速比 1速 3.592 / 2速 2.246 / 3速 1.415 / 4速 1.000 / 後退 3.657
最終減速比 3.90
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45S14-4PR
発売当時価格 86.6万円


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン 2000 GT(全3記事)

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【1】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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