運命のハコスカに再会【1】「1日だけ考える時間をください」|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT|大人がたしなむ旧車チューンド

車高調で下げられ、ホイールが替えられてはいるものの、それを除けばオリジナルというアピアランスにオーナーのこだわりが感じられる

       

運命のハコスカに再会し
こだわりのレストア&チューニングを施す

小学生時代=創刊からのノスヒロ読者が、あこがれの前期ハコスカを手に入れた。総剥離のフルレストアでは、コツコツと集めた新品パーツを惜しみなく装着し、新車同然のハコスカとして再生! しかし、そこはまだ40歳代。フルノーマルの良さを理解しつつも、自分好みのフォルムも見てみたいという、至極当然の気持ちが仕上げに現れている1台だ。

【 1969年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.1】

 このオーナーは、小学校4年生の頃、ノスタルジックヒーローの創刊号を目にしてから、今まで欠かさずノスヒロに目を通してきた生粋のファンだ。10歳の頃から、他誌とは違うクラシックカーが並ぶその誌面がとてもお気に入りだったという。そんな本誌の記事の中、ひときわ少年が心奪われたのがハコスカだった。
「ハコスカのデザインや顔つき、サーフィンラインが好きなんですよ」と語る。

 時はたち、少年は20歳の青年になった。満を持して旧車ショップへと足を運び、1台のハコスカに出合う。その頃は、100万円前後が相場という時代に、200万円というプライスタグをぶら下げた前期モデルだった。まだ若い中野青年には予算的に厳しい価格帯ではあるものの、そのハコスカはオリジナル度が高く、彼の琴線に触れた。
「1日だけ考える時間をください」とお店に相談するも、タッチの差でほかのユーザーの手に渡ってしまう。
 その後、20歳代の半ばで後期型のハコスカを手に入れ、好みの仕様にモディファイ。きちんとメンテナンスをしながら楽しむ日々をおくり、7〜8年の年月がたっていた。

 転機は突然訪れる。30歳代となったオーナーは、ある日、自動車雑誌をながめていた。そこにハコスカ前期モデルの売り物を見つける。「あの時の1台かな?」。写真とはいえ、そのたたずまいに感じるものがあった。早速、当時お世話になった旧車ショップに問い合わせてみる。すると「もし同じハコスカならば、フロアにグレーのサビ止め処理があるハズだ」と教えてくれた。

>>【画像20枚】オリジナルの雰囲気を崩さないため、グローブボックス内へインストールされている現代のオーディオ機器など




>> 低められた車高にサーフィンラインが映える。絶妙な位置に調整されたホイールリムがその美しさに華を添えるようだ。







1969年式 日産 スカイライン 2000 GT(KPGC10)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア
■エンジン:L28型エンジン載せ替え
■吸気系:ソレックス44PHH(ブラスト&電解研磨)
■点火系:永井電子機器製MDI
■排気系:レーシングサービスアオヤギ製ステンタコ足/
スチールデュアルマフラー
■冷却系:3層ラジエーター(アルミコア)
■駆動系:71Bミッション、強化クラッチ
■ブレーキ:MK63キャリパー+ソリッドディスク
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、レーシングワイドミラー
■タイヤ:ヨコハマ エコス(F)165/60R14 (R)175/60R14
■ホイール:RSワタナベ4本スポーク 14×7J



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT(全3記事)


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text : NORIO FURUKAWA/古川教夫(カチくる) photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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