2000GT前期型の塗装完了! 職人魂が宿るボディが復活【10-3】ニッポン名車物語 復活編|トヨタ 2000GT

完成したペガサスホワイトのボディ。オリジナル塗料はラッカー系だが退色や黄ばみが発生することもあり、今回は2液型ウレタン系塗料を使用

       
ボディ補修とエンジン内部&補機類のチェック(いわゆるオーバーホール)が終わり、これからは仕上げの工程に入っていく。今回は、ボディ塗装。補修により本来のボディラインを取り戻したこの車体は、塗装によってさらに美しさに磨きがかかる。オリジナルに忠実であり、一切の妥協を許さない完ぺきな仕事ぶりによってボディが完全復活を遂げた。

【ニッポン名車物語 復活編 第十話 トヨタ 2000GT Vol.3】

【2】から続く

 塗装にあたり、トヨタ2000GTならではの困難ポイントが多数ある。流麗なボディは逆に直線的ではないうえに、切れ目(合わせ目)が少ないために1つの外板が非常に大きい。そして下側に行くに従って絞り込まれた形状をしており、簡単に塗りを進めていける形状ではないのだ。またボディを固定するのに、サイドステップに設定されているジャッキアップポイントでジャッキアップしてしまうと、ボディがゆがんでしまうという問題点もあり、独自のポイントをフレームに設定して行っている。まさに細心の注意を払って、作業が進められたのだ。


>> 【画像18枚】黒の防錆塗料が塗布されているボンネットとリアゲートのインナーなど




>> 室内も基本色は黒で、センタートンネル部分はシルバー。これらにはカーペットなどの内装材が張られるため、表面に出ることはないがきっちり塗装されている。





>> サービスボックス内は黒の防錆塗料。フェンダーのインナーは、黒のチッピング塗料が使われており、防錆、耐久性を考慮している。





>> 外板塗装の最終は手作業で表面の仕上げ処理を行う。表面に映る蛍光灯がブレた感じなのは、ツルツルの平面仕上げにしていないため。これは「肌を作る」といわれる作業で、塗装の輝きや耐久性向上のための作業。



初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第十話(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo : VINTAGE CAR YOSHINO/ビンテージカーヨシノ&NOSTALGIC HERO/編集部 text : NOSTALGIC HERO/編集部

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