運命のハコスカに再会【3】「ソレ・タコ・デュアル」ストックしておいた部品を用いてレストア｜1969年式 日産 スカイライン 2000 GT｜大人がたしなむ旧車チューンド

運命のハコスカに再会し
こだわりのレストア＆チューニングを施す

小学生時代=創刊からのノスヒロ読者が、あこがれの前期ハコスカを手に入れた。総剥離のフルレストアでは、コツコツと集めた新品パーツを惜しみなく装着し、新車同然のハコスカとして再生！ しかし、そこはまだ40歳代。フルノーマルの良さを理解しつつも、自分好みのフォルムも見てみたいという、至極当然の気持ちが仕上げに現れている1台だ。

【 1969年式 日産 スカイライン 2000 GT　Vol.3】

【2】から続く


　ボディの剥離や板金、塗装は北九州のショップで、エンブレムやガラスなどの取り付けは大分の「セカンドビート」で、内装の修復部分などは取り外したパーツを「ドルフィー」に送った。

　エンジンは、福岡の「レーシングサービス アオヤギ」で組んだL28型に、キャブはブラスト&電解研磨を施したソレックス44PHHを装着し、排気系はステンレス製タコ足、アオヤギのスチールデュアルマフラーを装着。ミッションは71Bに交換し、強化クラッチも組み込んでいる。ブレーキは製造廃止となったMK63キャリパーにソリッドディスクの組み合わせとした。

　オーナーも、なにしろ創刊からのノスヒロ読者。オリジナルにこだわる。が、フルオリジナルで乗るにはまだ心にアツいものがある。そこがモディファイに現れた。ホイールはこだわりのRSワタナベの4本スポークを装着。ただし、バンパー下のパネルに穴を開けてのスポイラー装着や、大好きなサーフィンラインに手を入れるようなフェンダーカットという領域までは攻め込まない。

「オリジナルのエンジンもありますし、キャブもある。純正のスチールホイールもある。すべてノーマルに戻すこともできますが、しばらくこのスタイルで乗りたいですね」とオーナー。当時、新車を買ってモディファイするとしたら、こういうアレンジをして乗るのが粋だったろうという仕様を狙った仕上がり。新品パーツを多用してフルレストアした車体をほどよくモディファイして乗る。極上の贅沢がここにある。


>>【画像20枚】ブラスト、電解研磨で仕上げられたミクニソレックス44PHH。L型吸排気の三種の神器と呼ばれる「ソレ、タコ、デュアル」の王道チョイス。キャブにはカールファンネルと、タコ足からの熱気によるパーコレーションを防ぐためのヒートプレートを装着する




>> ミツバの電磁式を使い、機械式から電磁式にコンバートされたフューエルポンプ。





>> マスターバック、マスターシリンダーも純正新品。工場から出てきたままのような自動車機器のプレートがまぶしい。

OWNER

Vol.188（6/30発売号）で創刊30周年を迎えた姉妹誌ノスタルジックヒーローの創刊からの読者というオーナーは40歳。それだけにフルノーマルの価値を十分わかっていながら、今の仕様を楽しんでいる。前期ハコスカは、いずれフルノーマルに戻してのノスヒロデビューも目標のよう。いつ頃？ と聞くと「エンジンは3L化したいですし、50代、60代……でしょうか。まだしばらくはチューニングを少しは楽しみたいですね」とのことだった。

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT（KPGC10）

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア：ボディフルレストア
■エンジン：L28型エンジン載せ替え
■吸気系：ソレックス44PHH（ブラスト＆電解研磨）
■点火系：永井電子機器製MDI
■排気系：レーシングサービスアオヤギ製ステンタコ足／
スチールデュアルマフラー
■冷却系：3層ラジエーター（アルミコア）
■駆動系：71Bミッション、強化クラッチ
■ブレーキ：MK63キャリパー＋ソリッドディスク
■インテリア：ダッツンコンペステアリング、レーシングワイドミラー
■タイヤ：ヨコハマ エコス（F）165/60R14 （R）175/60R14
■ホイール：RSワタナベ4本スポーク 14×7J



初出：ノスタルジックスピード vol.019　2019年2月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT（全3記事）


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