運命のハコスカに再会【2】教えてもらった通りの場所にサビ止めが|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT|大人がたしなむ旧車チューンド

コクピットまわりのエンブレムも当時物の新品を使用。ステアリングも木目パネルも美しく、凛とした佇まいをみせる

       

運命のハコスカに再会し
こだわりのレストア&チューニングを施す

小学生時代=創刊からのノスヒロ読者が、あこがれの前期ハコスカを手に入れた。総剥離のフルレストアでは、コツコツと集めた新品パーツを惜しみなく装着し、新車同然のハコスカとして再生! しかし、そこはまだ40歳代。フルノーマルの良さを理解しつつも、自分好みのフォルムも見てみたいという、至極当然の気持ちが仕上げに現れている1台だ。

【 1969年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.2】

【1】から続く

 そのクルマは1971年式のスカイライン2000GT。持ち前の行動力で確認に行くと、教えてもらった通りの場所にサビ止めの処理。まさに20歳の頃に出合った1台だった。
「運命じゃないかと思いましたね」とオーナー。そこからは行動が早かった。所有している後期型と入れ替えに購入を決意。運命の1台を手に入れた。

 購入してすぐにレストアに入る。クルマ自体はノーマルに近く、全体的にコンディションがよかったが、それでも気になる部分はあった。思い入れのあるクルマだからこそ、その傷んだ状態に目をつぶってそのまま乗るのではなく、あくまでもベース車としてレストアを行う道を選んだ。そのため、レストアも徹底的に行った。ホワイトボディの状態にまでバラし、ペイントも総剥離するフルレストア。鉄板を切り貼りしない板金による仕上げにもこだわった。そして組み付けられるパーツは純正新品という入手困難なものばかり。

 エンブレムはおろか、グリルやバンパーも新品だ。そのリストにはセンターコンソールなど、もはや手に入れる術もないのではといったパーツも並ぶ。オーナーは、
「エンブレムなども復刻品ではなく、当時物のアンチモニーの新品で組みたかったんです」とこだわりを語る。
 実は、オーナーは後期型を所有していた時代から、少しずつオリジナルパーツを収集していたのだ。
「貴重なワンピースグリルも、購入当時ですでに相当高価なものでしたが、今思えば買っておいて間違いはなかったと思います」という。


>>【画像20枚】旧車というより新車というコンディションによみがえった破れなどがあったシート。ソリッドディスクを組み合わせている、定番でありながら取材時点でも手に入りにくくなりつつあった住友製MK63キャリパーなど




>> 破れなどがあったシートなどの内装パーツを、レストア時にドルフィーに送って補修作業を依頼。旧車というより新車というコンディションによみがえった。




1969年式 日産 スカイライン 2000 GT(KPGC10)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア
■エンジン:L28型エンジン載せ替え
■吸気系:ソレックス44PHH(ブラスト&電解研磨)
■点火系:永井電子機器製MDI
■排気系:レーシングサービスアオヤギ製ステンタコ足/
スチールデュアルマフラー
■冷却系:3層ラジエーター(アルミコア)
■駆動系:71Bミッション、強化クラッチ
■ブレーキ:MK63キャリパー+ソリッドディスク
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、レーシングワイドミラー
■タイヤ:ヨコハマ エコス(F)165/60R14 (R)175/60R14
■ホイール:RSワタナベ4本スポーク 14×7J




【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT(全3記事)


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【1】から続く

text : NORIO FURUKAWA/古川教夫(カチくる) photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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