レザートップのセダンをフルチューン【2】ハコスカはこれまで3台乗ってるんやけど、全部4ドア|1969年式 日産 スカイライン 2000GT|大人がたしなむ旧車チューンド

高価なパーツは使わないコスパのいいチューニング

       

プロならではの技術とノウハウを惜しみなく投入
あえてレザートップの4ドアセダンをフルチューン

鍛造ピストンにフルカウンタークランクといった高級品を使うのではなく、LD28型クランクによる3.1L化など、コストを抑えたチューニングが施されたイザワテイストのハコスカ。一見、プライベーターでも真似できそうな内容だが、長年つちかった技術とノウハウが注ぎ込まれている。しかも、ベース車はあえて珍しいレザートップのセダンをチョイス。いざサーキットに持ち込めば、抜群のパフォーマンスを発揮する!

【 1969年式 スカイライン 2000GT Vol.2】

【1】から続く

「ハコスカはこれまで3台乗ってるんやけど、全部4ドアやね。今は気に入ってるけど、初めてハコスカを買う時は2ドアが欲しかったよ。4ドアやったら家族持ちの人でも購入を許してもらえるかも? 的なことってありますやん(笑)。このクルマはロールバーを組んじゃってるし、オバフェンでリアのドアも開かへんようになってもうたから、4ドアのメリットはないねんけど。2ドアより安いっちゅうのもポイントちゃうかな」と井澤さん。

 心臓部は、もはや定番ともいえるL28型改3.1L仕様。φ89mmのピストンは鍛造ではなく、亀有製の鋳造モデル。これにLD28型用クランクに、亀有製I断面コンロッドを組み合わせている。また腰下同様、亀有製のパーツが使われるヘッドまわりも、ビッグバルブ&強化バルブスプリングというベーシックな仕様。カムシャフトは77iで、決してハードなスペックではない。しかし、そこはプロならではのノウハウと技術力を、たっぷりと盛り込んで組み上げているのがミソ。サーキットでも十分に楽しめるエンジンに仕上がっている。

>>【画像34枚】純正タコメーターを取り外し、設置されたオートメーターのタコメーターや、強烈な横Gがかかった場合でもしっかりとガソリンを吸うように、ジェットブロックはOBロングタイプを使用し、ジェットカバーにもワイヤーロックを施したエンジンユニットなど



>> ウッド調のインテリアパネルが使われ、アダルトなムード漂うインテリア。11点式のロールケージが組み込まれているが、フロントサイドバーの位置を可能な限り下げることで、乗り降りのしやすさを追求しているのもポイント。





>> ダッシュボード上部のデジタルメーターは空燃費計。その下の3連メーターは、左から油温計・油圧計・水温計。さらにその下にはサーキットカウンターをプラス。また3連メーターの左の赤のランプはバッテリーのチャージ用。左サイドのカバー付スイッチは、押すと前からロケットが発射される訳ではなく、青のブレーキランプ用。サーキットなどで車載カメラ搭載時に、ブレーキポイントを映像に残すため。オレンジのレブ用ランプも、同じ目的で設置される。






>> 運転席はレカロのフルバケットシートSP-G、助手席はリクライニングタイプのLSを装着。スポーツ走行に向け、サベルトの4点式シートベルトも使われる。






1969年式 スカイライン 2000GT (GC10)


SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:純正レザートップ、リスタード製カーボンリアオーバーフェンダー、ラバーソウル製カーボンボンネット/カウルトップ/リアガーニッシュ、FD3S用カーボン製サイドカナード
■エンジン:L28型改3.1L仕様(ボアφ89mm×ストローク83mm、圧縮比12.2)、亀有製φ89mm鋳造レーシングピストン/I断面コンロッド/77iカムシャフト/バルブスプリング/ビッグバルブ(INφ45φmm、EXφ36.5mm)/クロモリリテーナー、LD28型クランク改、ヘッド2mm面研
■吸気系:ソレックス50PHH(カールファンネル仕様、メイン240、パイロット70、エア220)
■排気系:ワンオフマフラー、亀有製φ45mmタコ足(6-2-1)
■点火系:亀有製デストリビューター(35度固定進角)、NGK製プラグコード/7番プラグ
■冷却系:3層ラジエーター、HPI製オイルクーラー
■燃料系:ホーリー製燃料ポンプ、オリジナルステンレス燃料タンク(50L)
■駆動系:OS技研製ツインクラッチ、S71Cフルクロス加工、R200LSD(ファイナル4.1)、S30Z用クラッチマスターシリンダー、亀有製デフメンバー
■サスペンション:エナペタル製車高調(F)10kg/mm (R)19kg/mm、亀有製強化ブッシュ、シルクロード製テンションロッド、ARC製前後スタビライザー、
■ブレーキ:R32タイプM用フロントキャリパー、S2000用φ300mmローター、HR30用リアディスク&キャリパー、ケンメリ用マスターバック、7/8マスターシリンダー
■インテリア:AME製A/Fメーター、オートメーター製タコメーター、亀有製追加メーター(油温/油圧/水温計)、HKS製サーキットカウンター、レカロ製バケットシートSP-G(運転席)/セミバケットシートLS(助手席)、サベルト製4点式ハーネス、11点式ロールケージ
■タイヤ:ヨコハマ アドバンA050(F)215/50R15 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ 8スポークRタイプ(F)15×8.5J -6 (R)15×10J -25



【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 スカイライン 2000GT(全3記事)


関連記事:大人がたしなむ旧車チューンド

関連記事:スカイライン



【1】から続く

text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo: : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING