無敵のモンスターZ31|このZ31のために調色されたオリジナルボディカラー|1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ Vol.4

ブロンズを濃くしたような渋いボディカラーは、このZ31のために調色されたオリジナルのコモンブラウン。

       
L型からVG型エンジンへの移行期にラインナップされた200ZRⅡの心臓部には、スカイライン系と同じRB20DET型を搭載。今となっては貧弱なこのRB20型を、日産最強の直列6気筒エンジンRB26DETT型へとスワップ。さらに最新のボールベアリングタービンにアップデートし、MoTeCで制御。無敵のモンスターZ31へと豹変した!

【1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ Vol.4】

【3】から続く

 一方、オリジナルのコモンブラウンメタリックにペイントされたエクステリアは、ボンネットにはZRⅡ純正のダクト付きではなく、あえてダクトなしの300ZX用を装着。フロントフェンダーはツメ折り加工、リアには約40mmのオーバーフェンダーを装着。後期300ZXを思わせるグラマラスかつシャープなフォルムを実現している。さらに、足回りにはフルタップ式を採用したコモンスナッパーのカンデン・サスペンションキットが組み込まれ、ホイールはバラマンディデザイン・Ketosを装着。オプションであるキャンディのパウダーコートを使うことで、スポークとボディカラーをコーディネイト。さらに金銅色に渋く輝くリムも、エクステリアの大きなアクセントとなっている。このスタイリッシュなエクステリアと同じく、インテリアにも、ステアリングおよびシートの張り替えを行なっている。ハイパワーなターボチューンだけではなく、トータルにファッション性を追求したハイレベルな仕上がりとなっている。

 90年代のスタイルを現代流にアレンジするとともに、コモンスナッパー流のハイレベルなセッティングが施され、強烈なパワーと使いやすさを見事に両立している。このZ31は、その高い性能に加えファッション性をも両立し、最新の海外製パーツを積極的に取り入れることで、まるでアメリカのショーカーのように洗練されたモンスターマシンに生まれ変わったのだ。


>>【画像28枚】ギャレットのGTX3582Rは、ピークパワーと低速トルクを両立する最新のボールベアリングターボ。ワンオフエキマニでヘッド近くの高い位置にマウントすることで、その存在を存分にアピールしたレイアウトなど



>> グリーンの車高調整ネジが美しい、コモンスナッパーのカンデン・サスペンションキット。全長調整式ショックアブソーバーを採用し、ストロークを犠牲にすることなくローダウンが可能。またスプリングは8kg/mmをチョイスしている。





>> フロントブレーキ&ローターは、トミーカイラR34に装着されていたブレンボを移植したもの。ボディの軽いZ31だけにパワーアップしたエンジンでも十分な制動力を発揮する。





>> 4WD駆動のGT-Rに搭載されたRB26型だが、ほかのRB型系エンジンのミッションなら結合自体はボルトオン。ただしGT-Rと違いフロントのトランスファーがないため、オイルパンの加工などのメニューが必要だ。





>> すでに先代Zでも使用していたR34トミーカイラのFS5R30AミッションをこのZ31でも使用。Z31純正のFS5W71Cよりもケースが大きくなり重量も増えるが、強度に優れRB26型スワップには最適なミッション。エンジンとつながるフロント側は、RB26型との結合はボルトオンが可能。ただしFRのZ31では、4WDのトランスファーがないため、オイルパンなどの加工は必須メニュー。またミッションマウントもZ31純正では付かないので加工が必要だ。


OWNER’S VOICE



写真の方は、このZ31のオーナーの息子さん。撮影時の移動やクルマのクリーンナップで活躍してくれた息子さんは、実はまだ初心者。そんな彼でも簡単に運転できてしまうほど、扱いやすいエンジンはさすがというほかない。


1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ(Z31)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:コモンブラウンオールペイント、フロントスポイラー、オーバーフェンダー、
■エンジン:RB26DETT型改ギャレットGTX3582Rタービン仕様、フルバランス取り、HKS製スライドカム(272度)、TOMEI製鍛造ピストン(0.5ミリオーバーサイズ)/強化バルブスプリング、メタルヘッドガスケット
■吸気系:PLAZMAMAN製φ90mmスロットル/サージタンク(ポリッシュ仕上げ)/フューエルデリバリーパイプ、Injector Dynamics製インジェクター(1050cc)
■排気系:ワンオフステンレスタコ足
■過給器系:ギャレット製GTX3582Rタービン、ブローオフバルブ、TURBOSMART製Pro-Gate50ウエイストゲート
■点火系:R34用ダイレクトイグニッション
■燃料系:強化燃料ポンプ
■冷却系:ワンオフアルミラジエーター(アルミシュラウド付き)、トラスト製オイルクーラー/インタークーラー
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ(TSタイプ)、R34用ミッション
■足回り:KANDEN SUSPENSION製フルタップ40段調整式車高調 (F)8kg/mm (R)6kg/mm
■ブレーキ:R34用ブレンボキャリパー
■タイヤ: ATRスポーツ(F)225/45R17 (R)255/40R17
■ホイール:BMD Ketos(F)17×8J -10 (R)17×9.5J -4
■内装:MOMO製CORSEステアリング(アルカンターラ張り替え)、レカロ製SP-Gバケットシート(アルカンターラ張り替え)、ワンオフスピードメーター、日本精機Defi油温/水温計、マッキントッシュMX5000CD/MPM4000VU
■制御系:MoTeC m84



初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 日産 フェアレディZ 200ZR-II 2シーター Tバールーフ(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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