無敵のモンスターZ31|フルバランス取りしたRB26型エンジンをモーテックのm84で制御|1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ Vol.3

ギャレットのGTX3582Rは、ピークパワーと低速トルクを両立する最新のボールベアリングターボ。ワンオフエキマニでヘッド近くの高い位置にマウントすることで、その存在を存分にアピール。

       
L型からVG型エンジンへの移行期にラインナップされた200ZRⅡの心臓部には、スカイライン系と同じRB20DET型を搭載。今となっては貧弱なこのRB20型を、日産最強の直列6気筒エンジンRB26DETT型へとスワップ。さらに最新のボールベアリングタービンにアップデートし、MoTeCで制御。無敵のモンスターZ31へと豹変した!

【1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ Vol.3】

【2】から続く

 スワップするRB26型エンジンは、オーバーホールをかねてフルバランス取り。

 その際、ピストンにTOMEIの0.5mmオーバーサイズの鍛造ピストンを使うことで耐久性を高めている。そしてタービンにはギャレットの最新ボールベアリングターボ「GTX3582R」をシングルで使用。その高い性能から、近年人気の高いターボスマートのウエイストゲートとともに、ワンオフのステンレス製エキマニで搭載した。また、アルミ削り出しのスタイルが気に入ったプラズママン製のスロットルボディに、オーストラリアで開発された大容量のサージタンクをプラス。本来、梨子地だったサージタンクを、ポリッシュ加工によりピカピカに磨き上げることで、スタイルも抜かりなく追求。

 さらに、インジェクターダイナミクス製の1050ccインジェクターは、市販車に使われるインジェクターと同じ規格をパスしたボッシュ製がベース。こうして組み上げられたエンジンは、モーテックのm84で制御。ハーネスの引き直しや、制御マップの製作など、かなりの手間が必要となるが、それはコモンスナッパーが最も得意とするメニューの一つ。

 取材時はまだ組み上がったばかりのナラシ段階で、セッティングも完璧に追い込まれた状態ではないが、チューニングの内容で計算すれば、ブースト1.5で、600psは確実だという。
「まだブーストは0.8ほどですが、それでも以前よりはるかに乗りやすいですし速いと思います。これは宮本さんのセッティング能力でしょうね」とオーナー。またミッションは事故車のトミーカイラR34から移植。前後のブレンボのブレーキも同様だ。


>>【画像28枚】後期Z31定番のフロントハーフスポイラーと、バンパーの間からのぞく大容量インタークーラーが、このZがただ者ではないことを物語る。Z31ならではのアイデンティティであるフロントマスクを妖艶に彩る半開きヘッドライトなど



>> 機能性とスタイルを両立した 最新のチューンドパーツで構成。




>> Vマウント風に角度を付けることで、ノーズの低いZでも容量を確保したワンオフアルミラジエーター。位置変更により電動ファンも追加される。




>> オーナーがRB26型スワップを計画した当初から、使ってみたかったというプラズママンのサージタンク&スロットルボディ。削り出しのスロットルボディやポリッシュ加工をしたうえで装着されたサージタンクが機能美を演出。







1988年式 フェアレディ200ZR-Ⅱ 2シーター Tバールーフ(Z31)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:コモンブラウンオールペイント、フロントスポイラー、オーバーフェンダー、
■エンジン:RB26DETT型改ギャレットGTX3582Rタービン仕様、フルバランス取り、HKS製スライドカム(272度)、TOMEI製鍛造ピストン(0.5ミリオーバーサイズ)/強化バルブスプリング、メタルヘッドガスケット
■吸気系:PLAZMAMAN製φ90mmスロットル/サージタンク(ポリッシュ仕上げ)/フューエルデリバリーパイプ、Injector Dynamics製インジェクター(1050cc)
■排気系:ワンオフステンレスタコ足
■過給器系:ギャレット製GTX3582Rタービン、ブローオフバルブ、TURBOSMART製Pro-Gate50ウエイストゲート
■点火系:R34用ダイレクトイグニッション
■燃料系:強化燃料ポンプ
■冷却系:ワンオフアルミラジエーター(アルミシュラウド付き)、トラスト製オイルクーラー/インタークーラー
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ(TSタイプ)、R34用ミッション
■足回り:KANDEN SUSPENSION製フルタップ40段調整式車高調 (F)8kg/mm (R)6kg/mm
■ブレーキ:R34用ブレンボキャリパー
■タイヤ: ATRスポーツ(F)225/45R17 (R)255/40R17
■ホイール:BMD Ketos(F)17×8J -10 (R)17×9.5J -4
■内装:MOMO製CORSEステアリング(アルカンターラ張り替え)、レカロ製SP-Gバケットシート(アルカンターラ張り替え)、ワンオフスピードメーター、日本精機Defi油温/水温計、マッキントッシュMX5000CD/MPM4000VU
■制御系:MoTeC m84


【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 日産 フェアレディZ 200ZR-II 2シーター Tバールーフ(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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