脱定番S31Z【2】丸裸にしてフルレストア。1年半かけてボディのリフレッシュを行う|1975年式 日産 フェアレディZ

純正の3連メーターの位置にはDefiアドバンスBFをインストール。左から油圧、油温、水温の順だ。タコメーターもBFシリーズのφ80mmモデル。

       
2018年の東京オートサロンで、多くの旧車ファンに熱い視線を浴びたZがある。「モーターズ バイ シェイプ」が手がけた、この先鋭的なフォルムのS31がそれだ。オーナーが待ちわびる中、3年の時を経てようやく目覚めた美しき貴婦人。走り重視のダイナミックなスタイリングと、イメージを際立たせるボディカラーが、高貴なルックスを一段と魅力的に見せる。

【1975年式 日産 フェアレディZ Vol.2】

【1】から続く

 まず、ボディは丸裸にしてフルレストアを実施。状態的にはフレームやリアクオーター、ラジエーターコアサポートの状態がひどく、最大の難所となった。サーキット走行も視野に入れた仕様を目指すため、骨格のリフレッシュは1年半を費やし慎重に行われた。

 各部の板金&レストア後は、ボディのコンディションをキープするために、アンダーコートに「シーカガード」を塗布。シーカは船舶のコーティングにも使用される高強度なコート剤で、水の浸透を確実に防止し、しかも弾力性があるため路面干渉や飛び石等からボディを保護する役割も果たす。さらに、この弾力性はノイズの侵入を防ぐ防音効果も高いため、走りを満喫したい人には注目のアンダーコートだ。

 さて、骨格が完成しいよいよチューニングがスタートする。走り重視のクルマ作りで、まず力を入れたのが足まわりのセッティング。車高は走りのために必要なストローク量を十分確保した適度な下げ幅で、最低地上高も9cm以上をきっちりキープする。アライメントはストリートでも安心してアクセルが踏めるように、タイヤの接地性を優先した標準値指向のセッティングを施す。また、サーキット走行を見越してブレーキのパフォーマンスも強化。信頼性の高いブレンボの4ポットキャリパーとφ300mmローターの組み合わせで、十分な制動力を確保。このブレーキを納めるために、ホイールはボルクレーシングTE37V BAの17インチを選択しているのもポイントだ。

>>【画像27枚】足まわりは、「レーシングサービス・ファクター」の車高調でセッティング。弾力性のある「シーカガード」のアンダーコートで保護しているボディ下まわりなど





>> コンソールにはオートメーターの追加メーターをセット。左から燃圧、A/F、燃料計の順。





>> メーター類にコンソールを占拠されたため、オーディオユニットはグローブボックス内にインストール。




1975年式 日産 フェアレディZ(S31)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア、モスグリーンオールペイント、スピードフォルム製フルボディキット
■エンジン:L28型改3.0L仕様(N42ヘッド+F54ブロック:2947cc)、加工カム(8.1mmリフト)、純正加工スライド式カムスプロケ、亀有製φ89mmストリートピストン/1.0mmヘッドガスケット、バルブ突き出し量41.4〜41.58、バルブスプリングセット長40.1〜40.48、ヘッド容積41.5〜41.8ml、圧縮比10.7〜10.8、
■点火系:和光テクニカル製スーパーZコイル、IC内蔵オルターネーター亀有製デスビ+MDI、リビルトダイナモ
■吸気系:ソレックス44PHH(オーバーホール済み)
■排気系:ファクター製タコ足、フジツボ製タテデュアルマフラー
■燃料系:BOSCH製燃料ポンプ、燃料レギュレーター
■冷却系:HPI製オイルクーラー
■駆動系:強化クラッチ、71Cミッション
■足回り:ファクター製車高調
■ブレーキ:(F)ブレンボ製4ポットキャリパー+φ300mmローター
■タイヤ: ダンロップDIREZZA ZⅢ(F)205/45R17 (R)225/40R17
■ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V BA(F)17×9.5J -15 (R)17×10J -20
■内装:レース用ワイドミラー、ナルディ製ステアリング、ダッツンコンペシート×2、日本精機Defiメーター(タコ、水温、油温、油圧)、燃圧計、オートメーター(燃料、A/F、燃圧)カロッツェリアヘッドユニット/スピーカー、StP製制振シート(デッドニング処理)、クスコ製タワーバー



【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 フェアレディZ(全4記事)

関連記事: チューンドZ最前線

関連記事: フェアレディ Z



【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING