走行時の姿はスピード感に満ちたフォルム! 2016年、童夢P‐2が再整備され、デモランを行った|半世紀にわたる伝説「童夢」の生き証人 P-2 & マクランサ Vol.2

半世紀にわたる伝説「童夢」の生き証人 P-2 & マクランサ

       
半世紀前カスタムレーシングカー「カラス」でレース界に参入。
40年前カスタムカー「童夢-零」で童夢を起業した林みのる。
日本のモータリゼーション史において伝説的存在の童夢は名車の数々を輩出。
そのうち節目の車両、P-2とマクランサが姿を現した。童夢にかかわる歴史プロジェクトを推進する
2016年「アウト ガレリア ルーチェ」が手掛ける2台で鈴鹿ツインサーキットを実走。
当日現場を訪れた当事者、林みのるも感慨深げな様子だった。

【半世紀にわたる伝説「童夢」の生き証人 P-2 & マクランサ Vol.2】

【1】から続く

 この童夢P‐2が再整備され、可動車としてサーキットでデモランを行うことになった。プロジェクトを企画したのは、昨年本誌でも紹介した林みのるの第1作「カラス」の復元車を手掛けた「オート ガレリア ルーチェ」だ。

 童夢に関連した企画やプロジェクトを推し進める同社が、現在名古屋の同社展示ルームで開催中の童夢展のため、童夢社過去の作品を可動状態にして展示しようと企画したものだ。
 当初は、童夢のロードカー第1作となる零の可動化を計画したというが、劣化の度合いが思いのほか進んでいたことから、比較的状態のよかったP‐2を選んだという事情があったようだ。

 お披露目場所は鈴鹿ツインサーキット。鈴鹿サーキットからほど近い立地条件にあるミニサーキットで、復調なったP‐2の確認走行、デモランを行うには絶好の舞台。なにしろ、これまで「静止状態」でしか見たことのないモデル。まさか走る姿を見られるようになるとは思ってもいなかったので、現場で実物に対面した時は、正直、仕事とはいえ興奮を隠せなかった。
 そのP‐2、ピット内で白のマクランサと並び出番を待っていた。左右のドアを前方に跳ね上げ、スタンバイしている姿だけでも絵になるモデルだ。


>>【画像15枚】停止状態でも存在感を示す、ウエッジシェイプを基調にデザインされた零&P-2。そして、スピード感に満ちたフォルムと映る走行時の姿など


 近寄ってみると、とにかく低い。全高を低く抑えること、具体的には1mに満たない車高にすることが童夢‐零のコンセプトで、じっくり眺めてみると、公道を走るクルマとしては実用限界に近い車高のように思える。

 並んだマクランサは、ホンダS800のシャシーにFRPボディを架装したモデルだが、目線を下げ、横からノーズ高を見比べてみると、P‐2の低さが非常に印象的だ。スーパーカーの命は車高の低さと思わされてしまう。
(文中敬称略)





エンジンは日産L28型ウエーバー仕様。この車両の企画があと5年違っていたら、まったく異なるエンジンになっていただろう。



初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

半世紀にわたる伝説「童夢」の生き証人 P-2 & マクランサ(全4記事)

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【1】から続く

text & photo:AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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