「神」と崇める岡崎社長の直筆サインも! あこがれのエンジンがついに搭載|1969年式 ダットサン ブルーバード SSS Vol.4

エクステリアの変更点は、今のところホイールとタイヤ、そしてFRP化されたボンネット程度。ハイレブエンジンのパフォーマンスを存分に楽しむために、補強はせず、軽さ重視を貫く方針だ。「ボディがヤレたら箱換えします」とオーナー。

       
あこがれのエンジンを楽しむために旧車乗りになった。そんな一風変わった510ブルーバードのオーナーが九州にいる。彼をとりこにしたエンジンはL型4気筒ベースとなるOS技研のTC16-C1。兄貴分の6気筒TC24-B1の後発でリバイバルが望まれるも、いまだ正式な発表のない幻のハイレブパワーユニット。現在、世界に1基だけの究極のL型4気筒を、彼はいかにして手に入れ、どう味わうのか。せん望のTC16-C1ライフを紹介する。

【1969年式 ダットサン ブルーバード SSS Vol.5】

【3】から続く

  オーナーが「TCエンジンを開発した、神のような存在の人」と話す岡崎社長。対面当初は緊張で、言葉が上ずりそうになる。しかし、TCへの熱い思いは通じ、見事、岡崎社長の承諾を勝ち取った。それが2015年、まだ肌寒い3月頃のことだ。

 それから1年、2016年の3月、ついにあこがれのエンジンをクルマに搭載する時がきた。不具合を調整しつつ、約1カ月の時をかけ、510ブルのエンジンルームにTC16-C1が納められた。搭載作業は長瀬発動機で行った。翌月、エンジンに火入れ。そして、その翌月にはひと通りのセッティングが完了した。納車時に告げられたレブリミットは8300rpm。コンロッドがノーマルのためマージンをとっての指定だ。その気になれば、9000rpmオーバーまでも一気のハイレブユニット。エンジンはまだまだ回りたがるという。


>>【画像48枚】岡崎社長が快くサインを引き受けてくれたことにも、涙を流さんばかりの喜びよう。気を使って、1度練習してサイズを確認していた岡崎社長など

念願のOS技研・岡崎正治社長のサインをボンネットの裏表に!  



 撮影前夜に、TCファンクラブの面々の力を借りて取り付けたFRPのボンネットに、「神」と崇める岡崎社長の直筆サインを表と裏に入れてもらい、感無量のオーナー。「岡崎正治」の文字が消えないように、「今後、洗車は一切しません」と宣言。くれぐれも消えないように養生を!  




サインのついでに、岡崎社長がTC16-C1の1号基をチェック。言葉の1つ1つを熱心に聞き入るオーナー。「まさに神のお告げ」と、これにも感激しきり。この後、クリアランスなども確認した。






取材当日、ロケ地の岡山に足を運んでくれたオーナーには、もう1つの大切な目的があった。それがTC16-C1を搭載した510ブルに、生みの親である岡崎社長の直筆サインをもらうこと。オーナーにとって神的存在の岡崎社長の前では、いまだに緊張しっぱなしになるそうだ。2人揃っての記念撮影では直立不動。



1969年式 ダットサン ブルーバード SSS(P510)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:リスタード製FRPボンネット/カウルトップ/フロントフェンダー/トランク
■ エンジン:OS技研TC16-C1、ボアφ89mm×ストローク78mm(1940cc)、圧縮比13.5:1、OS技研鍛造ピストン、L14型用コンロッド(フルフロー加工、SQ処理)、L18型用フルカウンタークランク(オイル穴加工、ラッピング、AQ処理)カム320度(11.5mmリフト)、バルブスプリングセット荷重23kg(フルリフト荷重52kg)
■ 点火系:MSD、OS技研製デスビ(プロトタイプ)
■ 吸気系:ウエーバー48DCO S/P(アウターベンチュリーφ42mm、ニードル250、エアジェット220、メインジェット185、エマルジョンF4、ポンプジェット50)
■ 排気系:OS技研製φ48mmタコ足、長瀬発動機製φ60mmワンオフマフラー
■ 冷却系:リフレッシュ60製大容量ラジエーター(電動ファン)、亀有製16段オイルクーラー
■ 燃料系:燃料ライン引き直し(φ10mm)
■ 駆動系:OS技研Aタイプツインプレートクラッチ(フライホイール軽量加工)、直結5速クロス、インプレッサ用R180デフケース(ファイナル4.444)、OS技研スーパーロックLSD、亀有強化フランジ
■ 足回り:(F)全長調整式車高調(バネレート10kg/mm) (R)TRDショックアブソーバー(ショート)、強化スプリング(16kg/mm)
■ ブレーキ:(F)エンドレス製パッド (R)S30Z用アルフィンドラム(加工)
■ タイヤ:ポテンザRE71R 165/55R14
■ ホイール:ボルクレーシングTE37 14×7J ±0
■ 内装:Defi NSタコメーター/NS追加メーター(油圧、油温、水温)


【5】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 ダットサン ブルーバード SSS(全6記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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