KP47/KP61、歴代が築いた走りのイメージを受け継いだ3代目EP71は初のFFモデル|1985年式 トヨタ スターレット Si 5ドア Vol.1

卵形のオーバルフラッシュフォルムにより、Cd値は0.37を達成(前後スポイラー装着車は0.35)。フロントスポイラーはSiおよびRiに標準装備される。

       
【1985年式 トヨタ スターレット Si 5ドア Vol.1】

 長らくトヨタのボトムレンジを担ってきたスターレット。初代KP47はパブリカのバリエーションのひとつ「パブリカ・スターレット」としてリリースされ、スポーティーな上級シリーズとして2ドアを最初に発表。その後4ドアが追加された。1978年には、2代目のKP61へモデルチェンジ。当時はすでに空間効率に優れるFFレイアウトが普及していたが、コンパクトな2ボックスボディにFRレイアウトという古典的なパッケージングを採用。FRが持つ走りのイメージを活かして若年層から支持されるとともに、シャシーの素性の良さから優れた運動性能を発揮。ツーリングカーレースやラリー、ダートラなど、幅広いモータースポーツシーンで活躍した。



 そして、1984年にデビューした3代目のEP71は、スターレット初のFFレイアウトモデル。しかし、KP61までで築いた走りのイメージは見事に受け継がれている。サスペンションは新世代の「PEGASUS(ペガサス)」で、フロントこそオーソドックスなストラットだが、リアは軽量化とスペースユーティリティーの拡大を狙って新開発したトレーリング・ツイストビームを採用。一部グレードにはスポーツチューンが施されたハードサスや60偏平タイヤ、フロントスタビライザーなども装着され、先代ゆずりの俊敏なフットワークを実現している。また、700kg台前半という車両重量も、軽快な走りに大きく貢献している。

>>【画像18枚】グリルに刻まれるグレード名、Siのエンブレム。Siではオプション、Siリミテッドには標準装備されていたディッシュデザインの14インチアルミホイールなど





マフラーはスピリットレーシング・コブラ製のオールステンレスに交換。純正形状に近いシンプルな出口が好みのオーナーは、φ50mmシングルをチョイス。




小振りながらリアビューのアクセントとして効果的なルーフスポイラー。Siの5ドアではオプション装備として扱われていた。



1985年式 トヨタ スターレット Si 5ドア(EP71)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3700×1590×1380
ホイールベース(mm) 2300
トレッド前/後(mm) 1385 / 1345
車両重量(kg) 750
エンジン型式 2E-ELU型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1295
ボア×ストローク(mm) 73.0×77.4
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps / rpm) 93 / 6200
最大トルク(kg-m / rpm) 11.3 / 5000
変速比 1速 3.545 / 2速 1.904 / 3速 1.310 / 4速 0.969 / 5速 0.815 / 後退 3.250
最終減速比 3.941
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / トーションビーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 165 / 70R13(前後とも)
発売当時価格 106.0万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ スターレット Si 5ドア(全3記事)

関連記事: 胸熱ボーイズレーサー

関連記事: スターレット

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING