歴史が始まる! フォグランプ内蔵のヘッドライトが登場|1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.3

今回撮影した個体は走行距離わずか4万8000kmに満たない。そのため、内外装ともにコンディションは抜群。

       
【1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.3】

【2】から続く

 ターボエンジンの登場はファンだけでなく、トヨタにも大きなインパクトを与えた。その衝撃は環境性能を柱のひとつに据えたコンセプトを大きく方向転換させるほどで、トヨタは約1年後の1980年10月に2LSOHCターボのM‐TEU型を投入。そのスペックは日産のL20ET型に肩を並べた。さらにS110系クラウンは攻めの姿勢を強めていく。その転機は1981年8月のマイナーチェンジだ。販売好調の430に対抗するため、そして高級車ナンバー1のプライドを取り戻すため、全身に渡る改良を実施した。

 新生クラウンの象徴となるのがパワーユニットだ。トップモデルには、先にソアラやセリカXXに搭載された2.8L6気筒DOHCを導入する。この5M‐GEU型はツインカム化により、従来型から25 psアップの170psにまで出力を向上。ツインカムは高性能のシンボルとして、ターボエンジンと並んで80年代のアイコンとなった。さらに、6気筒2Lも新世代の1G‐EU型に刷新。また、トランスミッションも新型となり、5M‐GEU型にはECTが、1G‐EU型にはオーバードライブ付き4速ATが採用され、走行性能を大幅に強化している。

▶▶▶【画像19枚】キズや傷みがなく状態が非常に良い。残っているだけでも希少な純正ホイールなど



撮影車両は2.8LSOHC(5M-EU型)。後期型では、このほかDOHCの5M-GEU型、2LSOHCターボのM-TEU型、2LSOHCの1G-EU型、2.2LディーゼルのL型をラインナップ。1G-EU型は電子制御燃料噴射装置のTCCSなどを採用した新開発エンジン。後にDOHCの1G-G型などへと発展し、トヨタの主力エンジンとなる。





エアコンは部品が交換され、夏場でも快適なドライブが楽しめるようになっていた。


1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン
SPECIFICATIONS 諸元
クラウン 4ドアハードトップ 2800ロイヤルサルーン(MS112)
全長×全幅×全高(mm) 4860×1715×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1500
エンジン型式 5M-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 2759
ボア×ストローク(mm) 83.0×85.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 145/5000
最大トルク(kg-m/rpm) 23.5/4000
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000/
4速0.689/後退2.212
最終減速比 4.100
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 269.0万円


SHOP INFORMATION / 国産・輸入車問わず、まるで旧車の博物館

 ハコスカやS30Z、230グロリアなどのノスヒロ世代を中心に、ハチマル世代までの国産旧車を幅広く扱う。
 なかにはバンやトラック、オート3輪などの珍しい車両も。また、アメリカ車をはじめとする輸入旧車にも造詣が深い。しかも、どの車両も驚くほどコンディションが良い。在庫車両を収めた倉庫内はまるで博物館のようだ。
 そんなクルマたちを見るだけでもタキーズを訪れる価値はある。



オートショップ タキーズ
〒431-1111 
静岡県浜松市西区伊左地町3000-5
TEL 053-482-1617
営業時間 9:30~20:00
定休日 年中無休
http://takeeys.com



初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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