セリカXXやソアラと同じ2.8Lツインカムを搭載するサルーン|1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.2

後期型で取り戻した、国産最上級のプライド

       
2度のオイルショックと厳しい排ガス規制。そんな1970年代を耐え忍び、技術に磨きを掛けてきたからこそ、80年代が色とりどりの華々しい時代となった。その口火を切ったのが、79年6月にデビューした430セド・グロ。そして、その後を追うように同年9月に6代目S110系クラウンが登場した。両車は国産高級車のベンチマークとして、しのぎを削ってきた。

【1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.2】

【1】から続く

 もうひとつの注目がエクステリアだ。ヘッドライトやフロントグリルを中心にデザインを刷新。ハードトップ全車とセダンの一部グレードに、フォグランプが内蔵された異型2灯式のヘッドライトが採用され、見た目の印象はガラリと変わり、精悍な顔つきに変貌した。「オニクラ」の愛称で呼ばれる所以がここにある。



 このほか、エンジンとトランスミッションを統合制御するTCCS、メモリー機能付きパワーシートやヒーター付きリアシート、目的地の方向を示すナビコンなど、日本初を含む新機構・装備を追加。クルマのあらゆる部分にエレクトロニクス技術を惜しみなく注ぎ込んだ。これらの進化はまさに新時代の高級車の姿を具現化したもので、国産最高級のプライドを守ったのだ。

▶▶▶【画像19枚】トヨタでは「ラウンジシート」と呼ぶベンチシートはいまだに人気。ロイヤルサルーンには、座面高さも含めた電動調整機能が付く(ハードトップのみ)。など




メーターはアナログが基本だが、後期型の2Lターボ車にはデジタル表示のエレクトロニック・ディスプレイ・メーターが装備された。




ハードトップの場合、コラムシフトは2.8L車と2L NAの一部グレードで選択可能。4速ATは2.8L DOHCが電子制御の新型ECT、1G-EU型エンジン搭載車は2ウェイオーバードライブ付きATを搭載。






撮影した個体は走行距離わずか4万8000kmに満たない。そのため、内外装ともにコンディションは抜群。


1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン
SPECIFICATIONS 諸元
クラウン 4ドアハードトップ 2800ロイヤルサルーン(MS112)
全長×全幅×全高(mm) 4860×1715×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1500
エンジン型式 5M-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 2759
ボア×ストローク(mm) 83.0×85.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 145/5000
最大トルク(kg-m/rpm) 23.5/4000
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000/
4速0.689/後退2.212
最終減速比 4.100
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 269.0万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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