図面の中央にフリースペース!? なにしろNは「家族1」なのだ|1968年式 ホンダ N360 Vol.3

ガレージ内のN360を背にオーナーと奥さん、そして6カ月の娘さん。ご家族4人(!?)での記念スナップ。ちなみにN360を頭から入れているのはリビングから見たとき顔が見えるようにするためだ。

       
「三つ子の魂百まで」のことわざどおり、幼少期の体験を実現してしまったガレージオーナーがいる。1968年式ホンダN360のオーナーだ。ミニカーで遊んだ記憶が実車のイメージとなり、現物を手に入れ自宅で大切に保管するというカーライフ

【1968年式 ホンダ N360 Vol.3】

【2】から続く

「家を新築するとき、図面の中央に何か意味不明のスペースがあったんですよ。フリースペースのようにして使えるのかな、なんてその時は深くは考えなかったんですが、聞けばNの置き場所だというじゃないですか。エッ、てな感じですよね」

 結局、現在のように家の一部として作られたものの、中央のスペースはリビングルームに譲る構造となった。しかし、ここでも奥さまが笑いながらこう付け加えてくれた。
「家の話をしながら、Nを指差し『これが家族1』で私を指差して『家族2』ですって」
 明るく笑い飛ばしながら話してくれるあたりに、むしろご主人に対する信頼がうかがえ、実はオーナー、奥さまの手のひらの上でカーライフを楽しんでいるのではなかろうか、と思わされてしまった。

「外で遊ぶのが決して嫌いなわけじゃないんですけど、リビングで家族と居ながらNを眺めているのがいちばんくつろげるし、最高に楽しいんですよ」

▶▶▶【画像18枚】そして扉を開けると……。取材のなかでいちばん印象的だったのがコレ。いいなぁ、と思わずニンマリしてしまうガレージの扉など

 見ようによっては、自宅と職場の間を直行直帰する退屈な模範亭主のパターンだが、実情はまったくこの逆。大切な家族と大好きなNに囲まれた生活。なにしろNは「家族1」なのだから。



大好きなミニカーに囲まれ、奥さまの目の届かぬところでこっそりとオークションに参加? 直行直帰の模範的なご主人です。





コカ・コーラカラーの鮮やかな赤と白、そしてコークボトル。日本人が憧れたアメリカンテイストの象徴がこれかもしれない。








初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ホンダ N360(全3記事)

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text & photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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