「よろしくメカドック」SPLインタビュー【6】作品のキモは「ステキな嘘」!? 少年たちに夢を与えたチューニングの秘密とは?

こちらにも数多くのミニカーが並べられているが、コスモスポーツやヨタハチ、ダルマセリカやハコスカなど、60〜70年代のクルマが多い。

それまでのクルマ漫画とは異なる、チューニング系クルマ漫画の草分け的存在として知られる『よろしくメカドック』。連載が終わってから30年以上たった今でも、ハチマル車ファンたちに語り継がれている名作だ。ここでは、『よろしくメカドック』の生みの親・次原隆二先生のインタビューをお届けする。

【「よろしくメカドック」次原隆二スペシャルインタビュー Vol.6】

【画像14枚】クルマ漫画を代表する名作のひとつ「よろしくメカドック」の生みの親、次原隆二先生
「雑誌で見たり、人に聞いたりしたものもあります。CR-XミッドはフィアットX1/9を参考にしましたし、3ローターは専門学校のときに学んだことをヒントにしました。ただどれも、自分がひねり出したというほどのネタではありませんので……」。

とはいえ後に、ツインエンジンはモンスタースポーツがカルタスで製作し、CR-Xミッドは某チューニングショップが製作。こうして考えると、先生には先見の明があったのかもしれない。また、それまでは漫画の世界だからこそ可能だったチューニングが実際にできるようになったことは、少年読者にも夢を与えたはずだ。

「そこが漫画のミソで、できそうでできないことを私は『ステキな嘘』と呼んでいます。こんなのあり得ないけど、あったら面白いよね……という。漫画で必要なのって、そこなんですよ。『ステキな嘘』があるか、ないか。面白い漫画って、すべてあるんですよ。リアルばかりだと、夢もなにもなくなっちゃう」

次原隆二(つぎはら りゅうじ)

1958年福岡県生まれ。80年に週刊少年ジャンプの『暴走ハンター』でデビュー。82年には同誌で『よろしくメカドック』の連載を開始。クルマ好きの少年たちから絶大な支持を集めた。代表作として、『日本国初代大統領 桜木健一郎』『ロードランナー』『レストアガレージ251車屋夢次郎』『内閣総理大臣 桜庭皇一郎』などがある。


【7】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

「よろしくメカドック」次原隆二スペシャルインタビュー(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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