L10A【2】「エンジンブローした時はショックでした」エンジンが復活したのは購入から9年後!? ドナーも手に入れた|1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A

エンジンを移植するために手に入れた、もう一台のコスモスポーツ。大切に保管されているが、ボディ全体にサビが浮いてしまった

【1】から続く

国産ロータリーエンジンの初登場は1963年の全日本自動車ショー。翌1964年の東京モーターショーで初めてロータリーエンジンを搭載したクルマ・マツダコスモがお披露目された。伝説はここから始まったのだ…

【マツダの100年 1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A vol.2】

 スポーツ性能の高佐賀表現されたエクステリアデザイン同様、趣向を凝らしたインテリアデザインを採用。まさに高級車といったキャラクターであった。販売価格も高級車に匹敵する価格帯でであったのは言うまでもない。
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 その後、68年にはマイナーチェンジで大幅な仕様変更が行われた。フロントマスクの変更、ホイールベースの延長など、走りを追求した結果でもある。

 パワーアップしたコスモスポーツは、デビューから2年。だれもがあこがれ、せん望の目を向けるクルマとなった。

 今回取材したオーナーも、当時、コスモスポーツが特別な存在だったことが思い起こされる。


「昔からの憧れで、60歳を機にようやく手に入れました」という。

 しかし、購入後、間もなくしてエンジンブロー。そこから、コスモスポーツと向き合う生活がスタートした。

「エンジンブローした時はショックでした。なかなか直らなくて、エンジン用に部品取りのコスモスポーツまで手に入れました」

 そして、ようやくエンジンが復活したのは、購入から9年。重い腰を上げて、エンジンのオーバーホールをしてからだった。それまでは「まともに走れなかった」というが、最近は快調なエンジンサウンドを奏でている。

【画像16枚】シフトノブはステアリングのすぐ近くに位置して、クイックな操作性を重視している。コスモスポーツの特徴ともいえる千鳥格子のシート生地。前期型にはヘッドレストがなく、サイドブレーキが助手席側に装着された



>>ブラックで統一されたスポーティなインテリア。センターコンソールボックスもない、シンプルなデザイン。7連メーターが印象的だ。



>>メーターパネルはブラックにホワイトの文字で、防眩仕様になっている。前期型はレッドゾーンの表記が控えめ。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年型 マツダ コスモスポーツ L10A

全長 4140mm
全幅 1595mm
全高 1165mm
ホイールベース 2200mm
トレッド前/後 1250/1240mm
最低地上高 125mm
室内長 860mm
室内幅 1300mm
室内高 990mm
車両重量 940kg
乗車定員 2名
0→400加速 16.3秒
最高速度 185km/h
登坂能力 sinθ0.524
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491cc×2
圧縮比 9.4:1
最高出力 110ps/7000rpm
最大トルク 13.3kg-m/3500rpm
変速比 1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/後退3.389
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 57L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ウイッシュボーンボールジョイント・コイル/ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ 前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格 148万円

【3】へ続く

1967年式 マツダ コスモスポーツ L10A(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

TEXT:Keishi Watanabe/渡辺圭史 PHOTO:Ryota Sato/佐藤亮太

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