230km/h! コスモスポーツとともにアウトバーンへ! そして当時の資料を元にレース仕様を忠実に再現|1971年式 マツダ コスモスポーツ【5】

ニュルブルクリンクを駆け抜けた マラソン・デ・ラ・ルートの精鋭

【5】「耐久性がないのでは?」と、登場前からあらぬ嫌疑をかけられていたロータリーエンジン。東洋工業(マツダ)はそのありもしない汚名を晴らすべく、レースの世界へとコスモスポーツを送り込んだ。マラソン・デ・ラ・ルート84時間。RE車初めての耐久レース完走、その1台がレプリカとしてよみがえった。

【1971年式 マツダ コスモスポーツ Vol.5】

【画像27枚】マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様(レプリカ)フロントキャリパーは住友製の2ポット。パッドはベースプレートをメーカーに出し摩材をレーシングパッドに変更してもらっているという
マラソン・デ・ラ・ルート仕様への変更のきっかけは、「インターナショナル マツダ コスモスポーツ ミーティング」だ。

第1回がドイツで開催され、オーナーもコスモスポーツとともに海を渡った。アウトバーンでは下り坂参考ながら230km/hを記録。素晴らしい経験になったという。

その第2回を日本で! という話になり、トピックスとしてレプリカを製作することになったのだ。製作のキモとなるのはカラーリングと、夜間走行のための補助ライト。実は、久保田さんはマーシャルランプをコレクションしており、ライトステーは当時の写真資料などをもとに自作したという。

限られた資料の中ではあるものの、再現度も高く完成。ロータリーエンジンの耐久性の高さを世界に証明した、歴史を語り継ぐ大切な1台となった。

【5】に続く


>>リアサスのスプリングは強化リーフに変更。ダンパーはKYBの8段を装着。デフがボディ側にありバネ下重量を軽減できるド・ディオン式リアアクスルを採用している。


>>フロントサスはエナペタルに製作を依頼したビルシュタイン製にダンパー、スプリングともども交換されている。

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以前、前期2台を手に入れてレストアしようとして挫折した経験もあるオーナー。今後のカスタムの予定を尋ねたところ、「ノーマルに戻す」との回答。実は現在、後期をもう1台手に入れてパーツを組んでいるところらしい。そしてRE搭載のレーシングカー、オスカーも今年のイベントで走行させるべくレストア中。楽しみだ。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 コスモスポーツ(L10B)

■エクステリア:マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様
■エンジン:10A型(491cc×2ローター)、サイドポート、3㎜金属製アペックスシール、永井電子機器製MDI
■吸排気系:ウエーバー48IDA、φ50mmワンオフステンレスタコ足、 φ50mmワンオフステンレスマフラー
■冷却系:純正ラジエーターOH、オイルクーラーOH
■駆動系:純正5速ミッションOH、デフOH
■サスペンション:(F)エナペタル製ビルシュタイン(R)強化板リーフスプリング、KYB 8段
■ブレーキ:純正ベース使用でレーシングパッドに張り替え
■ホイール:純正 15×5.5J
■タイヤ:アドバン・ネオバ 185/55R15

【5】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 マツダ コスモスポーツ(全5記事)

TEXT:NORIO FURUKAWA/古川教夫 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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