【5】「せっかくなら上品なハコスカにしたら!?」という言葉に、オーナーはレストアを決意|1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X

フロントブレーキには、スターロード製鍛造4ポットキャリパーキットを装着。鮮やかなイエローがアクセントになっている。ほかに、ブラックとレッドも選択可能だ。ローターのサイズはφ286㎜で、オプションの2ピースベンチレーテッドローターにはスリットも入っており、ストリートからサーキット走行まで十分な制動力を発揮する。

漫画に登場するハコスカへのあこがれからスタートし、エンジンを載せ換え、そしてボディの修復に合わせての大がかりなイメージチェンジで生まれ変わったハコスカ。欧州車を思わせるしっとり系のグリーンをまとったボディは、前後バンパー&フロントグリルレスに、レーシングジャケットをヘッドライトに被せたスタイル。だが、不思議と都会の風景に違和感なく溶け込んだ。

【1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X Vol.5】

【画像39枚】ホイールはグロースターの新色で、ブラックカットグレーディスク/ブラックアルマイトリムの組み合わせ。サイズはフロント15×9J -15(Aディスク)、リア15×10J -78(Oディスク)となる

「ブツけたところを直すのに塗装をハガしたら、とんでもないボロが出てきで、ドア半分から下、もうボディの下半分がダメで、サビがひどかった」と井上さん。本来なら、ボディ全部をハガして直したほうがいい状況だったが、オーナーにはその予算がなかった。

そこで相談した結果、ボディ下半分をキレイに直すことになったが、井上さんからとある提案をされた。

「せっかくだから、オーバーフェンダーとかをカッコよく作って、上品なハコスカにしたらどう⁉︎」というもの。オーナーは内心、「どんなふうになるか不安だった」そうだが、意を決して井上さんにお任せすることにした。

修復のために、スターロードにハコスカを預けて2年がたったころ、オーナーに人生の一大転機が訪れた。

【6】に続く

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(KGC10)

■エクステリア:STARROAD製フロントスポイラー/ヘッドライトカバー/セミワイドフェンダー、オリジナル・ジェイドグリーン全塗装、4ドア用ワンテール移植
■エンジン:L28型改3.0L仕様【ヘッド】燃焼室加工(含容積合わせ)、カッター跡修正・形状修正ヘアライン仕上げ、オリジナル形状ポート拡大加工(IN:ヘアライン仕上げ、EX:半鏡面仕上げ)、ヘッド水圧テスト済み、上面修正・下面面研、77.5度カムシャフト(リフト9.3mm)、ビッグバルブ(INφ45、EXφ36.5、L=118mm)、ABB/PBBバルブガイド、SPL形状シートカット(カムシャフトセンター基準にて)、ハイリフト対応ハイレートバルブスプリング、オフセットリテーナー(特殊鋼)、強化バルブコッター(タフトライド処理品)、クロモリロッカーガイド 【ブロック】φ89mm鍛造ピストン(PH29mm、ピストン重量バランス0.5g以内)、I型断面コンロッド(L=140mm、コンロッド重量バランス0.5g以内)、L28型用クランク1本キー加工/曲がり修正/ダイナミックバランス/ジャーナル&ピンラッピング、ブロック上下修正面研、ダミークランク&ダミーヘッドボーリング、ARP強化クランクキャップボルト、シリンダーパルホスM処理、ニスモ製レース用メタル、強化オイルポンプ、強化クランクプーリーボルト、水穴ブランク栓入れ替え
■吸排気系:ソレックス44PHH、タコ足(6-2)、マフラー
■冷却系:STARROAD製3層オールアルミラジエーター、HPI製オイルクーラー
■点火系;亀有製デスビ、MSD製6AL
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ×2、コレクタータンク
■駆動系:ORC製シングルクラッチキット
■サスペンション:STARROAD製 (F)フルタップ車高調30段 (R)フルタップ30段ショートショック/フリーアジャストメントアーム
■ブレーキ:(F)STARROAD製鍛造4ポットキャリパーキット
■タイヤ:(F)TOYO PROXES 225/45R15 (R)MAXXIS VICTRA 245/40R15
■ホイール:GLOWSTARブラックカットグレーディスク/ブラックアルマイトリム(F)15×9J -15(Aディスク) (R)15×10J -78(Oディスク)
■インテリア:φ260mmステアリング、ダッツンレプリカシート(運転席)、自作シート+チャイルドシート(助手席)、ウイランズ製4点式ハーネス、大森メーター製追加メーター(油温、油圧)、燃圧計

>>全ての画像を見る>>


>>足まわりは、今回の取材に合わせてアップデートされた。最新のフルタップ車高調キットで、フロントは30段調整式で、アッパーシートにはベアリングを採用しており、ピロアッパーマウントも付いている。


>>リアの足まわりもフルタップ車高調キットでアップデート。リアダンパーは従来品よりさらにショート化されており、車高を下げても乗り心地は抜群。スプリング部で車高調整が可能になるシステムとなっている。

【7】へ続く
初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(全9記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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