国産車で初めてGTを名乗った「ベレG」|1973年式 いすゞ ベレット 1600GTR【1】

2分割のフロントバンパーとフォグランプを装備。後期は通称ブラックマスクとなるが、前オーナーの時に、前期仕様に変更されていたそうだ

       

【イーネ!いすゞ 1973年式 いすゞ ベレット 1600GTR vol.1】

 いすゞがベレットを発売したのは、東京オリンピック開催の前年にあたる1963年。消費の花形が「3C(カー、カラーテレビ、クーラー)」と表現された、いわゆるいざなぎ景気の時代に向け、国民全体がまい進していた真っただ中の出来事だった。

 発売当初は4ドアセダンのみの設定であったが、翌年には2ドア・クーペの1600GTを発売。SUツインキャブを備えた1.6L直列4気筒OHVエンジンを搭載し、「国産車で初めてGTを名乗ったクルマ」という称号を手に入れることとなる。

 モータースポーツでの活躍もあり、当時「ベレG」の愛称で親しまれた1600GT。69年には、その進化系とも呼べるベレット史上最もハイパフォーマンスなスポーツモデル、ベレット1600GTRが登場する。

 エンジンは動弁機構をDOHCに変更したG161型直列4気筒を搭載。ソレックスのツインキャブを備え、最高出力120ps/6400rpm、最大トルク14.5kgm/5000rpmを発揮した。前後サスペンションを強化し、リミテッドスリップデフ(LSD)やブレーキの真空倍力装置も装備。2分割バンパーに挟まれた大きなフォグランプが外観上のアイコンだった。

【画像20枚】「ベレG」の愛称で親しまれるベレット1600GTは、国産車で初めてGTを名乗ったクルマという称号を手に入れることになる。「ISUZU」と社章を組み合わせたボンネットのエンブレム。ベレット発売当初は日本語の「いすゞ」が使用されていた


>>「国産車で初めてGTを名乗ったクルマ」という称号を手に入れることとなる「ベレG」


>>アンテナの位置はモデルによって異なり、1600GTや1600GTRは角度可変式の伸縮ルーフアンテナが装備される。



1973年式 いすゞ ベレット 1600GTR (PR91W)

全長4005mm
全幅1495mm
全高1325mm
ホイールベース2350mm
トレッド前/後1260/1240mm
最低地上高195mm
室内長1480mm
室内幅1240mm
室内高1060mm
車両重量970kg
乗車定員4名
0→400m加速16.6秒
最高速度190km/h以上
登坂能力tanθ0.55
最小回転半径5.0m
エンジン型式G161W型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1584cc
ボア×ストローク82.0×75.0mm●圧縮比10.3:1
最高出力120ps/6400rpm
最大トルク14.5㎏-m/5000rpm●変速比1速3.467/2速1.989/3速1.356/4速1.000/後退3.592
最終減速比3.727
燃料タンク容量46L
ステアリング形式ラックアンドピニオン
サスペンション前/後ダブルウイッシュボーン/ダイヤゴナルリンク+横置きリーフ
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも165HR13
発売当時価格111万円




【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年6月号 vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 いすゞ ベレット 1600GTR (全3記事)

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photo: Isao Yatsui/谷井 功 Cooperation : Isuzu Sportas/イスズスポーツ

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