そのドアはどうやって開ければ良いの?|2000年式 TVR キミーラ 400【2】ハチマルユーロ

カーボンファイバーにクロスを貼ったトップを装着した姿

1990年代初頭に復活し、その後15年ほどの短い間にまばゆいほどの輝きを放ったTVR。鬼才ゴードン・マーレイの手で、まさに2度目の復活を遂げようとしている今、1990年代TVR最高のヒット作であるキミーラに触れてみることにしよう。

【ハチマルユーロー 2000年式 TVR キミーラ 400 vol.2】

 そのエンジンは大排気量・高トルクのローバーV型8気筒OHV。当初は3950㏄・235psでスタートするも、ほどなく4.3L版や5L版などの高性能バージョンも細かく設定。さらに最終期になると「400」および「450」に収束し、2002年まで生産されたという。

 今回の主役であるTVRキミーラは、最終モデルに当たる99年型の「キミーラ400」。かつて愛知県岡崎市に本拠を構えていた「TVRジャパン」によって輸入されたディーラー車とのことである。

 近年は東京都内の、さる有名ファクトリーにて入念なメンテナンスを受けていた。また先代オーナーが女性だった(!)という事実もあって、内外装は新車のように美しいコンディションを維持している。

 インテリアは英国製の高級スポーツカーにふさわしく、コノリー社製と言われる上質なレザーと天然ウッドのキャッピングで仕立てられている。そのデザインはスパルタンな印象の強い外観とは裏腹の古典的なもので、ネオクラシック的なモデルの成り立ちにはよく似合っているとも言えよう。

 また、車内からはコンソールのアルミ球を左右に回転させて、そして車外からはドアミラー下部に取り付けられたスイッチでドアの電磁ロックを開閉させるなど、一風変わったオープニング機構を持っていたのも、この時代のTVRの特徴。

【画像18枚】先代オーナーが女性だったということもあり、内外装の状態は、新車のような状態が維持されている。


>>1960年代に隆盛を極めたブリティッシュスポーツを近代的に解釈したボディスタイルは、とても魅力的。先行デビューしたグリフィスほどアグレッシヴではないが、この穏やかなスタイルは独特の古典美を見せる。


>>リアウインドー内に見える2本のアルミ製ステーが「く」の字型に折れることで、トップの後半部も一応は倒すことができるが、その角度は極めて浅く、結果としてこの「タルガ」スタイルがオープン時のデフォルトと言えるようだ。




2000年式 TRV キミーラ 400

●年式 2000年式
●全長×全幅×全高(mm) 4080×1720×1220
●ホイールベース(mm) 2282
●トレッド(mm) 1460/1460(前/後)
●車両重量(kg) 1060
●エンジン種類 水冷V型8気筒OHV
●総排気量(㏄) 3950
●内径×行程(mm) 94.0×71.0
●最高出力(ps/rpm) 235/5500
●最大トルク(kg-m/rpm) 36.1/4500
●サスペンション 前ダブルウィッシュボーン
後ダブルウィッシュボーン
●ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク
●タイヤサイズ 前205/55ZR15/後225/50ZR16


【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

2000年式 TVR キミーラ 400(全3記事)

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text: Hiromi Takeda/武田 公実 photo: Masami Sato/佐藤 正巳

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