ランボルギーニ・ミウラP400SV【3】より速く、より美しく。400SVはミウラ・シリーズの集大成!|サーキットの狼世代へ

ブラックアウトされたインテリア。上質な作りの立体造形が特徴で、単なるスポーツカーではなく高性能GTカーであることを乗り手に伝えてくる。

       
【2】から続く

【サーキットの狼世代へ ランボルギーニ・ミウラP400SV vol.3】

 ミウラ400SVのSVとは、スプリント・ヴェローチェの略で、より速くなったことを意味していた。エンジン出力は385ps。リッター当たり100psに及ぼうかという性能は、当時の市販車としては限界近いものだった。

 外観上の大きな変更は、ミウラの特徴だったヘッドライト回りのまつ毛状ガーニッシュがなくなったことだ。

 メカニズム面ではエンジンとミッションの潤滑が独立した方式となり、信頼性、安定性を向上させていた。
約150台が生産されたが、改良、改善を重ねてきたミウラにとって、最も性能が高く、かつ安定したモデルという位置付けにあたる。

 こうした意味では、エレガントかつダイナミックなフォルムを持ち、抜群の美しさを誇るミウラ・シリーズの集大成版と言うことができるだろう。

>>【画像20枚】400SVのSVとはスプリント・ヴェローチェの略で、より速くなったことを意味していた。


>>ダッシュボード回り、センターコンソール回りは機能的なデザインでまとめられている。ドライバー正面に大型のスピードとタコメーターを配置。センターコンソールにその他のメーターをドライバーに向けてレイアウト。イタリア車らしくシフトゲートが切られている。


>>4LV型12気筒エンジンを横置きにミッドマウント。当時世界でも類を見ない手法で音、振動といろいろな問題が発生したという。エンジンパワーは、初期が350ps、P400S時に370ps、最終型のP400SVで385psを発生。燃料供給系はトリプルチョークダウンドラフト4基が受け持っている。


>>シャシーは鋼板溶接による方式で設計はジャンパオロ・ダラーラが担当。フロントセクションはシャシー固定式ではなく、カウル全体が開く方式だ。フロントエンドには電動クーリングファンを持つラジエターが配置される。


サーキットの狼Story/幻の1台であるイオタを駆る潮来のオックスと呼ばれた男

今回の特集で何度も出て来ているとおり、池沢早人師さんの友人である関根英輔さんは、サーキットの狼の中のキャラクターのモデルとなった人物。そこではミウラをベースに一台だけ製作された実験車両のイオタ(Jota)で流石島レースに出場。その腕でレース序盤をリードし、フェラーリの女豹とともに人気キャラクターとなった。もちろんイオタのイメージは関根さんが所有するミウラSVであることは言うまでもない。





ランボルギーニ・ミウラP400SV

全長×車幅×全高4380×1780×1100mm
ホイールベース2504mm
トレッド 前/後1512mm/1512mm
車両重量1180kg
エンジン60度V型12気筒DOHC 横置きミッドシップ 
総排気量3929cc
最高出力385ps/7850rpm
最大トルク40.7kg-m/5750rpm
生産年1967〜1973年
生産台数150台
生産国イタリア


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



サーキットの狼世代へ ランボルギーニ・ミウラP400SV(全3記事)


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【1】【2】から続く

text: Akihiko Ouchi/大内明彦 photo: Makoto Inoue/井上 誠 Cooperation : セキネネオングループ

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