フルノーマルの初代レジェンドがある、噂を聞きつけて新潟へ|北陸の地に棲息する、ホンダ車のカリスマ【1】

ガレージ01とガレージ03の間にて

       
クルマにバイク、自転車や除雪機、さらには年代物の発電機まで、ホンダ製品がズラリと並ぶ壮観な光景はファンならずとも圧倒される。
誤解を恐れずに言えば、新潟で出会ったその人は日本一のホンダマニア。これほどのコレクションを揃える愛情と情熱に敬意を表したい。

【北陸の地に棲息する、ホンダ車のカリスマ Vol.1】

 ハチマルヒーロー本誌36号の巻頭ターボ車特集を企画する際、どうしても取り上げたい車種があった。ホンダの初代レジェンドだ。しかし、現存する個体は非常に少なく、ウイングターボ搭載車となると、それは激減する。八方手を尽くして探しても見つからず諦めかけていたとき、有力な情報が舞い込んできた。新潟にフルノーマルのレジェンドを持っている人がいるというのだ。

 それを教えてくれたのは、本誌29号で取材させていただいた、無限PRO.仕様のバラードスポーツCR‐Xに乗るオーナー。しかも彼によれば、「レジェンドだけでなくバラスポCR‐Xやシティなど、複数のレストア済みホンダ車を所有しているはず」とのこと。早速アポイントを取って、新潟に向かったのだった。

 これが、新潟に住むホンダ車マニアオーナーとの出会い。そして、オーナーの自宅で待っていたのは、想像をはるかに超える状況だった。新潟駅から南東へ約30kmほどの場所にオーナー宅はある。いわゆる住宅街で、とてもここで多くのクルマを所有しているとは思えないロケーションだ。しかし、住居の裏手に回ると、ホンダ車ファン垂ぜんの夢のような光景が広がっていた。

>> 【画像36枚】オーナー宅の見取り図など。図上側が道路に面しており、垣根で区切られたエントランスを通り、家屋を抜けると裏手にガレージが2つ作られている。間口から想像するよりも奥行きがあるガレージだ。また、家屋右側部分を増築して、その1階部分をガレージにしている




【BALLADE SPORTS CR-X/新車で買った思い出のバラスポ】

オーナーが免許を取って初めて買った新車がバラードスポーツCR-Xの前期1.5iで、しかも青×シルバーの2トーン。その後、後期のSiに乗り換えており(これも新車)、バラスポはオーナーにとって思い出深いクルマだ。この個体は1983年式の1.5iで、まさに初めての愛車と同じ。15年前の2002年にレストアベースを見つけて入手し、約2年かけてフルレストアを実施。外装から室内まで新車のような仕上がりだ。





【CITY TURBOⅡ/ほとんど手がかからなかった秘蔵っ子】

2001年に入手。以前、前期のターボⅡをレストアベースとして購入していたが、コンディションが悪くレストアを断念(その個体は部品取り車として保管)。この後期は塗装が新車時のままなど、状態が非常に良かった。しかし、ターボのウェイストゲートが固着していて、フルブーストにすると過給圧が高くなりすぎた(ブルドック定番のガックン病)。最初は原因が特定できなかったが埼玉の友人の助けで完治することができた。





【BEAT/もっとも長い付き合いの愛車はいじって楽しむ】

現在、オーナー手元にあるクルマの中で、一番長く乗っているのがこのビート。1991年に新車で購入して今年で26年になる。それだけに、フルノーマルのレストア車両が並ぶ中、これだけはちょっと異色。ホイールが無限だったり、レカロのシートを装着したりと、アフターパーツを導入しているのだ。「すぐにノーマルに戻せる程度にいじって楽しんでします」とオーナー。一時期2台所有していたこともあるほどビートが好きとのこと。





【PRELUDE/殺し文句でイチコロにされた若かりし頃の高根の花XX】

4年前の2012年に秋田の友人の紹介で手に入れたという1983年式プレリュードXX。「『処分するけどいらないか?』と言われて……。これはホンダマニアの私にとって殺し文句です(笑)。新車当時、このXXにあこがれたんですよね。しかも、ALB付きの2トーンカラーだったので、譲り受けました」とオーナー。この個体は24年間も車庫に放置状態だったので経年劣化が激しかったが、完全レストアで復活。



【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

北陸の地に棲息する、ホンダ車のカリスマ(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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