GT-Rの50年 後編|国産スポーツカーの代名詞ともいえる「GT-R」の歴史を振り返る|BNR32、BCNR33、BNR34、そしてR35 GT-R

国産スポーツカーの代名詞ともいえる「GT-R」の歴史を振り返る

       
【前編】から続く

国産スポーツカーの代名詞「GT-R」ヒストリー

スカイライン2000GT-Rは1968年10月に開催された第15回東京モーターショーでベールを脱ぎ、翌69年2月に「GT-R」を名乗って発売に移された。最初のGT-Rは4ドアセダンで、型式はPGC10だ。

70年10月には戦闘力を高めた型式KPGC10のハードトップGT-Rに発展する。心臓は、量産エンジンとして日本で初めてDOHC4バルブ方式を採用した直列6気筒のS20型だ。排気量は1989ccだった。3基のソレックス40PHHキャブを装着し、160ps/18.0kg-mを発生した。トランスミッションは5速MTだ。

73年1月、第2世代のGT-Rにバトンを託した。このKPGC110は、唯一、レースに参戦しなかったGT-Rだ。これ以降、絶えていたが、89年8月に平成のGT-Rが登場する。型式BNR32を名乗るGT-Rで、2568ccのRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボを搭載した。サスペンションは4輪ともマルチリンクだ。電子制御トルクスプリット4WDを採用した新世代のGT-Rは異次元の走りを披露し、サーキットでも敵なしだった。95年1月、BCNR33と呼ぶGT-Rが誕生。98年1月には4ドアの「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」を投入する。

99年1月8日にBNR34の型式を持つ直列6気筒エンジン最後のGT-Rがベールを脱いだ。改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボにゲトラグ社製の6速MTを組み合わせ、意のままの気持ちいい走りを見せつけた。07年10月、V6ツインターボのニッサンGT-Rが発表され、12月に販売を開始する。

【画像9枚】長きに渡り国産スポーツカーの代名詞となっている「GT-R」


1989年8月BNR32発売
スカイライン GT-R

 
年号が平成に変わった89年5月、スカイラインは8代目にバトンタッチしている。このとき16年ぶりにスカイラインGT-Rの名を冠した高性能モデルが復活することが発表された。ポルシェなど、欧州のスポーツカーを凌駕する走りを目標に掲げ、リーダーとして開発されたのが型式BNR32のGT-Rである。歴代のGT-Rは2Lの排気量にこだわってきたが、グループAレースを制するために排気量を2.6Lまで拡大した。心臓はRB26DETT型と呼ぶ直列6気筒DOHC4バルブで、セラミックタービンを組み込んだツインターボを装着する。駆動方式は電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TSだ。


1995年1月BCNR33発売
スカイライン GT-R


サーキットで新たな神話を築いたBNR32GT-Rは95年1月、後継のBCNR33GT-Rに主役の座を譲った。
先代よりホイールベースを延ばし、ボディは大柄になっている。
心臓は、トルクとレスポンス向上を図った改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボエンジンだ。
4輪マルチリンクのサスペンションやアテーサE-TS、スーパーHICASなども受け継いでいる。
BCNR33GT-Rは2ドアクーペだが、4ドアボディのR33GT-Rも用意された。
98年1月、スカイライン生誕40周年を記念して送り出された「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」はハコスカ以来となる、4ドアのGT-Rだ。



1999年1月BNR34発売
スカイライン GT-R

 
99年1月8日、東京オートサロンの会場で鮮烈なデビューを飾ったのがBN-R34だ。最強のロードゴーイングカーを目指して開発され、「究極のドライビングプレジャーの追求」を開発コンセプトに掲げている。
メカニズムは、4WDシステムを含め正常進化だ。
パワーユニットは改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボで、280ps/40kg-mを発生する。トランスミッションはゲトラグ社製の6速MTだ。
空力性能を向上させるためにブレーキ導風板や車体の下部を覆うアドバンスドエアロシステムなども採用した。
直列6気筒エンジンを積む最後のGT-Rで、今も人気が高い。


2007年12月R35発売
ニッサン GT-R

 
BNR34GT-Rは2002年に生産を終えた。これ以降、空白の期間があったが、2005年秋の東京モーターショーに「GT-Rプロト」を参考出品している。
その2年後の07年10月、R35GT-Rが正式発表された。
それまでのGT-Rと大きく違うのは、スカイラインとは別の、専用設計のスーパースポーツであることだ。
「ニッサンGT-R」を名乗り、3.8LのVR38DETT型V型6気筒DOHCツインターボを搭載している。これにゲトラグ製のツインクラッチ6速DCTを組み合わせた。サスペンションはダブルウイッシュボーンとマルチリンク、駆動方式はフルタイム4WDの進化型アテーサE-TSだ。

【前編から続く】


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

国産スポーツカーの代名詞ともいえる「GT-R」の歴史を振り返る(全2記事)

関連記事:GT-R伝説

関連記事: スカイライン

RECOMMENDED

RELATED

RANKING