ハコスカを納得のいく仕上がりにするために揃えたツール。人一倍強いモノづくりへのこだわり【2】5年がかりでハコスカを製作するガレージ

自らの手でレストアをススメるオーナー

旧車オーナーのプライベートガレージ探訪。オーナーのクルマに対する本気さを感じるマニアックなガレージを紹介していく予定だ。初回を飾るのは、ハコスカを自分でフルレストアしている、すご腕プライベーターのガレージ。積み込むエンジンはOS技研のTC24-B1Zという、熱狂的なコダワリ、ワクワクする道楽ぶり。しょっぱなからマニアック度はメーターを振り切り、レッドゾーンに突入!

【5年がかりでハコスカを製作するガレージと趣味を凝縮した部屋も増築し、道楽ざんまい!? Vol.2】

【1】から続く

 実際に、オーナーがここで行ってきた作業を知ると、その思いはさらに強まる。5年前に始まったハコスカのフルレストアは、一般的なパーツの撤去から始まり、塗装の剥離、板金、パーツの修理と再生、ジグや作業性を高めるための特殊な工作機器の製作まで、全てをこなしてきたのだ。それしてもオーナーは、なぜそこまで自分の手でやることにこだわるのか?

「モノづくりに対するこだわりが人一倍強いんです。完成度はもちろん、作り方にまで注文をつけてしまうから、頼まれる方はたまったものじゃない(笑)。たいてい困った顔をされる。だから、自分でやるしかないんです」

 ガレージに置かれた特殊な機器やツールは、ハコスカを納得のいく仕上がりにするために揃えたものだ。作業に取りかかった当初から、これほど揃っていたわけではなく、製作が進むにつれてどんどん増えていったそうだ。

 オーナーの性分がそうだから、コダワリを感じる人やモノに出合った時のほれ込みようも人一倍。それを象徴するのがガレージでハコスカに搭載されるのを待つ、OS技研の「TC24‐B1Z」だ。2年前のノスタルジック2DAYSの会場で実物を見て、そのコダワリ感にシビレたという。
「フルローンで買いました。けっして高い買い物とは思っていません。ものすごいクオリティーで、小さなボルト1本まで作り手の意識の高さを感じます。だから、ハコスカも、このエンジンに恥じないものに仕上げないと」

>> 【画像38枚】サーキット走行のためにロールバーがすでに取り付けられている車内など。フロアトンネルの右に見える四角い凸はマフラー用の逃げ加工だ



>> 木片をサーフィンラインに当てるとドンピシャ。古典的な方法だけどワンオフには木型が一番。






>> ビートローラーを使って、鋼板を思うような形状に加工する。こういう加工機は日本には少なく、オーナーは自分で作った。






>> ペイントワークも慣れたもの。フェンダー内に、飛び石などによる損傷や、サビの発生を防ぐチップガードを施工しているところ。この作業をボディの下まわり全体に施工する。

>> 【画像38枚】サーキット走行のためにロールバーがすでに取り付けられている車内など。フロアトンネルの右に見える四角い凸はマフラー用の逃げ加工だ

【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

5年がかりでハコスカを製作するガレージと趣味を凝縮した部屋も増築し、道楽ざんまい!?(全3記事)

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【1】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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