945台の出品車両! 世界一の生産台数を誇った1983年の日本の自動車業界|第25回 東京モーターショー 1983

第25回 東京モーターショー 1983 公式ポスター、そしてトヨタと日産のブース

       
東京モーターショーに出展された
コンセプトカー&ショーモデル

【 第25回 東京モーターショー1983 トヨタ・日産編 Vol.1】

 急速に欧米の自動車メーカーに追いついた日本は、1980年に初めて生産台数が1100万台を超え、アメリカを抑えて世界一の自動車生産国にのし上がった。だが、伸び盛りの日本とは違い、欧米は不況に見舞われ、自動車の販売も大きく落ち込んだ。ビッグスリーの座にあるフォードとクライスラーは、1982年に初めて無配に転じて経済界に衝撃を与えている。

 この年、日本の生産台数も落ち込んだが、世界一の座は死守した。そして1983年は再び上昇気流に乗り、生産と販売を伸ばした。秋に開催された東京モーターショーは25回目の節目を迎えている。2年前の東京モーターショーは、コンセプトカーであっても地味なクルマが多かった。この反省から、第25回ショーはファンに夢を与える華やかなイベントになっている。

 出展会社は第24回ショーを上回る224社にのぼり、出品車両も前回より96台多い945台になっている。コンセプトカーも見応えがあった。各メーカーは1990年代に目を向け、最先端のエレクトロニクス技術を満載したコンセプトカーを積極的に出品している。牽引車したのはトヨタと日産のツートップだ。技術の粋を集めた近未来のコンセプトカーを、目立つ場所に、広いスペースを割いて展示し、来場者から熱い視線を浴びていた。

 1980年代は技術レベルが飛躍的に進歩したし、熱狂的なクルマ好きが多かった時代だ。だから12日間の会期中に東京・晴海の国際貿易センターには120万人もの来場者が押し寄せている。週末はオープン前から長蛇の列となり、人気モデルのあるブースは人の波で埋め尽くされた。


>> 【画像13枚】第24回 東京モーターショー のパンフレットなど







【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

第25回 東京モーターショー1983 トヨタ・日産編(全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : JAMA/一般社団法人 日本自動車工業会

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