ドキドキワクワク。初バラシとなった240RSのミッションの状態は・・・【2】日産 240RSの直結5速ミッション修復任務

破損したメイン側2速のシンクロギア。正常であれば、削れている部分にツメがあって、そのツメでシンクロリングを押さえているが、そのツメが削れてなくなった状態だ。

       
グループBで争われていたWRCに参戦するため、日産がホモロゲーションモデルとして開発し、限定200台を製造したのが「240RS」。その直結5速ミッションのトラブルを解決!

【珍車秘宝館 日産 240RS Vol.2】

【1】から続く

「初めて240RSのミッションをバラすので、けっこうドキドキ、ワクワクしてケースを開けたのですが、ギアの状態を見てガックリきました。その時の状態としては、メーンシャフト側の2速ギアのシンクロギアが破損していて、シンクロリングが外れてしまっていたんです。それと、やっかいなことに、カウンターシャフト側のギアにも破損があるようで、これは困ったなと。

というのも、カウンター側のギアはシャフト一体成形されていて、ギアがダメになった場合は、カウンター側を一式交換するしか直す方法はないんです。

もちろん、貴重な240RSのミッションですから、そこらに転がってるワケもないので、どうにかできないかあれこれ考えた末にひらめいたんです」
と語る館長。得意の「もったいない精神」から思いついたのが、カウンター側のギアを削り落として、新たにギアをハメ込むというウルトラC級の裏技だ。


>> 【画像19枚】クラッチの粉まみれとなったベルハウジングの中など



>> 2速カウンターギアをミクロチェック(染色浸透探傷剤)でクラックがないか確認したところ、ギアが完全に割れていることが判明。シャフトとギアが一体成型されているため、通常はシャフトごと使用不可能となる。





>> 2速メインシャフトのギアも、赤い色の線でクラックが入っているのが分かり、使用不可能。


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

240RSの直結5速ミッション 2速部分の破損を裏技で修復する!(全3記事)

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【1】から続く

photo & text : 珍車秘宝館 館長

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