東京モーターショーに出展された
コンセプトカー&ショーモデル
【 第26回 東京モーターショー 1985 トヨタ編 Vol.2】
【1】から続く ゼネラルモーターズと合弁でNUMMIを設立し、北米での生産に乗り出したトヨタは、このショーに多くの近未来技術を提案した。1983年の前回は、FX‐1を出品したが、1985年のショーにはプレステージ性の高いセダンのコンセプトカーを送り出している。それがシルバーとブラックに塗り分けられた伸びやかなフォルムの「FXV」だ。
FX‐1の設計哲学と流れをくむコンセプトカーだが、今回のFXVはバックボーンフレームではない。エンジンの配置もフロントではなくミッドシップとしている。エンジンを後方に押しやったためノーズは低くなり、空力性能も向上した。空気抵抗係数はFX‐1を凌ぐCd=0.24だ。4ドアセダンとしては驚くほど数値がいい。
エクステリアは現実味のあるデザインで、ヘッドライトは横一文字にせり上がり、点灯する。リアシート後方に搭載されているのは、2Lの直列4気筒だ。大柄なボディには役不足なので、ターボとスーパーチャージャーによる2段過給を採用した。パワースペックは230ps/30.0kg‐mと発表されている。トランスミッションは今となっては平凡な電子制御5速ATだ。
>> 【画像11枚】4シーターながらミッドシップ車となるFXVのインテリアなどFXV:
ダウンサイジングして、ターボとスーパーチャージャーのツインチャージャーを採用したり、4輪操舵の4WSなど、今につながるテクノロジーを満載していたトヨタFXV。4ドアセダンだからミッドシップ車だと分からなかった人も多かったようだ。
【3】に続く初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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