昭和60年にしてワンツー・ドア&直噴ディーゼル! トヨタAXV|第26回 東京モーターショー 1985|トヨタ編【3】

カットモデルとともにステージに上がったトヨタAXV

       

東京モーターショーに出展された
コンセプトカー&ショーモデル

【 第26回 東京モーターショー 1985 トヨタ編 Vol.3】

【2】から続く


 現実味のあるコンセプトカーだったのがトヨタAXVだ。エコ指数を高めたコンパクトサイズの2BOXの提案で、時代に先駆けて徹底的に燃費性能にこだわっている。驚かされるのはパワーユニットだ。なんと1.1Lの直列3気筒ディーゼルターボを積んでいた。このショーのときは世界最小の直噴式ディーゼルターボと豪語していた。動力性能も具体的だ。56 ps/10.3kg‐mと、なかなかの高性能を誇る。

 ちなみに60km/h定地燃費は54km/L、10モード燃費は34km/Lを叩き出す。また、点火系に工夫を凝らすとともに、電子制御エンジンマウントを採用して副室式ディーゼルを凌ぐ静粛性と優れた振動性能を実現した。クリーンな2BOXボディは、運転席側が1枚ドア、助手席側は2枚の左右非対称ドアである。リアサスペンションのアームなどは樹脂製だ。


>> 【画像11枚】変則3ドアを開いたカットなど、1985年の第26回 東京モーターショー トヨタブースの写真たち




AXV:
変則3ドアを採用し、使い勝手を向上させたトヨタAXV。パッケージングだけでなく、直噴ディーゼルターボという異色のパワーユニットにも先見性が感じられる。この設計コンセプトは、1990年代になってラウムや初代のプリウスに引き継がれ、開花した。




【4】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

第26回 東京モーターショー 1985 トヨタ編(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : JAMA/一般社団法人 日本自動車工業会

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