飛鳥ミノル【4】マルチェロ・ガンディーニ デザイン。まさにスーパーカーの原点|ランボルギーニ ミウラ P400S|サーキットの狼世代へ

ルーバー状に切られたミウラのリアウインドー。俗称「アルマジロウインドー」とも呼ばれたデザイン上の大きな特徴で、このラインとリアフェンダーのラインがマッチして美しいリアビューを作り上げている

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

背反する力強さと優雅さを融合
飛鳥ミノルに合ったクールな性能

【 ランボルギーニ ミウラ P400S  Vol.2】

【3】から続く

 350/400GT系から一変する流麗なデザインは、ベルトーネ社がデザインを担当。ここにもフェラーリ/ピニンファリーナに対抗するランボルギーニの対抗意識を見ることができる。当初はジョルジエット・ジウジアーロのデザインと見られていたが、後にマルチェロ・ガンディーニの手によるものと判明している。

 ミウラは1967年から1973年まで販売され、派生モデルを除けば、時代に応じてP400(1967~69年、475台、350ps)/P400S(1968~1971年、140台、370ps)/P400SV(1971~1973年、150台、385ps)と進化を遂げている(諸説あり、ミュージアムに準拠)。

 1967年から1973年の7年間で、765台を売り上げたことになるが、これほどの高額高性能車が年100台以上も売れた現実は、高級スポーツカー市場に一石を投じるかたちとなり、以後このクラスが注目される先兵の役割を果たしていた。

 それにしても、2006年(40周年)にはミウラコンセプトが発表されるほどの美形。まさにスーパーカーの原点と呼ぶにふさわしいモデルだ。


>>【画像20枚】ヘッドレストがセンターバルクヘッド側に設けられたミウラのシート回りなど。パッセンジャーを取り囲むようにデザインされたインテリアが高性能車の雰囲気を醸し出す



>> 立ち上がったステアリングコラム、比較的長めのシフトレバー、コンソールに切られたシフトゲートと典型的なイタリア車を思わせるミウラのコクピットデザイン。

ランボルギーニ ミウラ P400S


SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●4380×1780×1100mm
ホイールベース●2504mm
トレッド 前/後●1512mm/1512mm
車両重量●1180kg
エンジン●60度V型12気筒DOHC 横置きミッドシップ 
総排気量●3929cc
最高出力●370ps/7700rpm
最大トルク●39.0kg-m/5500rpm
生産年●1968~1971年
生産台数●765台
生産国●イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ランボルギーニ ミウラ P400S (全3記事)

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【1】【2】【3】から続く

©︎池沢早人師/animedia.com text : AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太(サッカス)

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