飛鳥ミノル【2】スーパーカーという言葉もブームもなかった時代にうまれたミウラ|ランボルギーニ ミウラ P400S|サーキットの狼世代へ

背反する力強さと優雅さを融合。飛鳥ミノルに合ったクールな性能

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

背反する力強さと優雅さを融合
飛鳥ミノルに合ったクールな性能

【 ランボルギーニ ミウラ P400S  Vol.2】

【1】から続く

 スーパーカーという言葉もブームもなかった時代に企画、生産されたモデルがランボルギーニ・ミウラだった。

 ランボルギーニ社の高性能スポーツカー事業は、エンツォ・フェラーリに対する敵対心から生まれたことはよく知られた事実で、その発端は1964年リリースの350GT(1965年以後は400GT)だった。

 ミウラはこれに続く第2弾として1966年に発表されたモデル(生産は67年)で、新世代の魅力を多く備える意欲作だった。なかでも4L V12 DOHCエンジンをミッドシップマウントするパワートレーン系は破格のメカニズム、性能が盛り込まれていた。

 ちなみに、当時名実とも世界最高峰のスポーツカーと目されていたフェラーリ275GT系が、FR方式の3.3L仕様だったことからも、ランボルギーニがフェラーリを強烈に意識していたことは明らかだった。

>>【画像20枚】とてもロードスポーツとは思えない、レーシングスポーツを彷彿とさせるボディ前後部の開き方など。もはや「フロントカウル」「リアカウル」と表現したほうがふさわしいかもしれない。それにしてもこの状態でさえ美しいと思わせるデザインは秀逸のひと言に尽きる



ランボルギーニ ミウラ P400S


SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●4380×1780×1100mm
ホイールベース●2504mm
トレッド 前/後●1512mm/1512mm
車両重量●1180kg
エンジン●60度V型12気筒DOHC 横置きミッドシップ 
総排気量●3929cc
最高出力●370ps/7700rpm
最大トルク●39.0kg-m/5500rpm
生産年●1968~1971年
生産台数●765台
生産国●イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ランボルギーニ ミウラ P400S (全3記事)

関連記事:サーキットの狼世代へ

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【1】から続く

©︎池沢早人師/animedia.com text : AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太(サッカス)

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