巻き数多め、線形太め！　ハコスカのセミトレ足のゴツゴツ感を軽減｜プロテック 低反発リアスプリング

クルマを支える役割を担うバネは、まさに縁の下の力持ちともいえる存在。
その最新トレンドともいえるのが低反発スプリングである。
バネ特性を変えることで、走りや乗り心地を改善する注目アイテムだ。。

【プロテック 低反発リアスプリング】

　ハコスカのリアに採用されるセミトレーリングアーム式は、S30Zのストラット式と比べてもセッティングが出しにくく、突き上げ感が出がちといわれる。構造上の問題といったらそれまでだが、オーナーからしてみれば、少しでも改善したいと思うのは当然のこと。

　そこで注目したいのが、プロテックから発売された低反発スプリングだ。アラゴスタベースのオリジナル車高調をリリースしているが、さらにしなやかな乗り味を目指してハコスカ・リア用の低反発スプリングの開発に着手。さまざまな条件下で実走テストを繰り返し、納得のいく結果が得られたので発売に踏み切ったという。

　最近のサーキットシーンで脚光を浴びているのが、この低反発（高反発）なるスプリング特性。その名の通り、反発力が強いものは高反発、弱いものが低反発と呼ばれる。レート、内径、長さがまったく同じでも、スプリングが収縮する際の特性が異なるのだ。

　プロテックがリリースした低反発タイプは、同社の従来品より巻き数を多く（6.55回転→6.7回転）しており、反発力が穏やかな特性になっているのが特徴。これがダンパーの規制が入らないような領域での走りや乗り心地に少なからず影響を及ぼすという。

「低反発スプリングでまず感じたのが、リアのゴツゴツ感が軽減したことですね。乗り始めからその効果がハッキリ体感できました。首都高の継ぎ目を乗り越えた時のあたりも確実に柔らかくなっています」と袖本徳明代表。

　これまでならば突き上げ感があった入力だとしても、そうした角を落してくれるということ。しなやかな乗り味にするために、この低反発スプリングが大いに貢献したというわけだ。

　また線径（鋼材の太さ）については従来品がφ16mmなのに対し、φ16.5mmと若干太くすることで安定したレートを導き出している。さらに素材についても張力に対して強い鋼材を使用し、ヘタリにくい設計とした。

「このスプリングでは厳しい品質管理を実施しています。それまで入れていたバネもレートはまったく同じ18kg/mmなのですが、専用テスターで計測したところ16.8kg/mmと多少のズレがあることが分かりました。対して、この低反発バネはきっちり18kg/mm出ています。そのせいかもしれませんが、筑波サーキットにハコスカを持ち込んだ際は、コーナリングでの踏ん張り感も向上していると感じましたね」と続ける。
　たかがスプリングと思うかもしれないが、そのフィーリングの変化は決してあなどれない。当然、ダンパーとのマッチングありきだが、乗り心地や走りの質感を高めるために、低反発スプリングは大いに有効といえそうだ。



>>【画像8枚】きっちり18kg/mmのレートが出ている低反発リアスプリング（左右セット）




>> 信頼性の高い日本製。抗張力が高い鋼材を使用するなど、品質にもこだわった。粉体塗装が施されており、サビや劣化のリスクも少ない。






>> 全長やレートは従来品（右）と同様だが、低反発タイプ（左）は線間ピッチが少なくなっているのがお分かりいただけるはず。巻き数を増やすことで反発力を低くしている。





>> 車高は60mmダウンの設定。もう少し上げたいというユーザーのために専用スペーサーも用意する。

Shop Infomation／足まわりからエンジンOHまでフレキシブルに対応する旧車専門店

PROTEC プロテック
ハコスカやS30Zなどの旧車乗りが集まるプロテック。トコトン試していいモノだけを製品化するのがモットーで、アルミ製の軽量ハブなど独自のオリジナルパーツも数多く設定。コンプリートエンジンも人気を集める。

〒230-0023　神奈川県横浜市鶴見区市場西中町9-13
TEL045-350-6050　http://www.protec-s20.co.jp/

代表の袖本さんは2.3L仕様のGT-Rで富士や筑波を走り込む。「半信半疑で試してみたところ、その違いに驚きました。フロント用スプリングも開発予定なのでご期待ください」

初出：ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

プロテック 低反発リアスプリング

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