先進のエアロフォルム【1】国産初のCd値0.29を達成した外装に「コントロールウイング」を持つ内装|1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX|我が青春のリトラクタブル

モーターとリンク機構で作動するリトラクタブルヘッドライト

       
空力性能を徹底的に追及した、先進のエアロフォルム

【 1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX Vol.1】

 デビュー時のインパクトはとにかく強烈だった。直線基調のクーペボディにリトラクタブルヘッドライトを配したスタイリングは、徹底的に空気抵抗の低減を目指してデザインされたもので、エアプレーンタイプのドアハンドルやスペースタイプと名付けられたフローティング式ドアミラー、サイドエアフラップなどを採用し、ボディー下面のフラットボトム化や各部のフラッシュサーフェス化を実施。細部にまで、スバルならではの航空機作りの発想が応用され、国産車で初めてCd値0.30を上回る0.29を達成(FFモデル)したのである。

 インテリアも、エクステリアに負けず劣らずの独創的な造形が各所に見られる。個性的なL字スポークステアリングを採用し、左右に飛び出たサテライトスイッチは元飛行機メーカーらしく「コントロールウイング」と名付けられ、ステアリングと一緒にチルト&テレスコピックが可能。さらに、当時のゲームを思い起こさせるような個性的なグラフィックのデジタルメーターも設定し、オンリー・ワンのインテリアを作り上げたのだ。

>>【画像19枚】左右非対称のL字スポークステアリングが目を引く、スバルの飛行機作り思想に多くの示唆を受けたというインテリアなど



>> モーターとリンク機構で作動するリトラクタブルヘッドライト。2.7VXと1.8VRターボには、ヘッドライトウオッシャーも標準装備される。





>> 日本初のエアプレーンタイプドアハンドル。ドアを開けるときはフラップを押し込み、ノブを引き上げると解除される仕組み。





>> ボディは純正色でオールペイントされ、サイドのステッカーはワンオフで製作されたもの。エクステリアのコンディションは抜群だ。





>> 薄型一文字のテールランプは今見ても新鮮。28度というリアウインドーの傾斜角とハイデッキ&ダックテールのデザインが、空気抵抗の低減に大きな効果をもたらしている。


1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX(AX9)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4510×1690×1335
ホイールベース(mm)  2465
トレッド前/後(mm) 1435 / 1440
車両重量(kg)  1300
エンジン型式  ER27型
エンジン種類 水平対向6気筒SOHC
総排気量(cc) 2672
ボア×ストローク(mm) 92.0×67.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps / rpm) 150 / 5200
最大トルク(kg-m / rpm) 21.5 / 4000
変速比 1速 2.785 / 2速 1.545 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 3.700
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 205 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 292.9万

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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