FRPボディでスタートした理由|1979年式 フェラーリ 308GTB【2】フェラーリの傑作、名作ディーノ246GTの正統な後継モデル

コノリー社製レザーなどの高級素材を使用しつつも、シンプルでスパルタンなインテリア。ステアリングはMOMOのレザー巻きを装着する

       

フェラーリV8ベルリネッタの開祖となった、美しき名作

日本の子供たちの間で「スーパーカーブーム」が吹き荒れる直前、1975年にデビューしたフェラーリ308GTBは、フェラーリの傑作、ディーノ246GTの正統な後継車にして現代まで継承されるフェラーリV8ベルリネッタの起源となった。

【輸入車版懐古的勇士 1979年式 フェラーリ 308GTB Vol.2】

【1】から続く

 発表当初は当時のイタリアで吹き荒れていた労働争議のあおりを受けて、当初予定していたスチール製ボディパネルの生産が間に合わなくなる可能性が高まったことから、マラネロ製ストラダーレとしては初めての経験となるFRPボディが架装されることになるが、1977年6月以降の生産分はスチール製に変更。また同じ1977年秋には、ディーノ246GTSの後継車となるタルガトップ版の308GTSも追加デビュー。シリーズの大半を占める人気モデルとなった。

 こうして大きな人気を得ることになった308GTB系は、こののち北米/日本などを中心とする排ガス規制の厳しかったマーケットを見越して、1981年にはインジェクション化した308GTBi/GTSiに進化。さらにそのパワーダウンを補うため、1983年には308クワトロヴァルヴォレ(4バルブ)に最新化などのマイナーチェンジが繰り返されたのち、1985年フランクフルト・ショーにて3.2Lにエンジンを拡大した進化型、328GTB/GTSにあとを譲るかたちで、約10年の生産期間にピリオドを打ったのである。

>> 【画像14枚】90年代までのフェラーリに特徴であった、明確なゲートに収まるシフトレバーなど




>> クラシックなレバー式スイッチは、60年代から継承された魅力的なディテールを成している。





>> 総アルミ軽合金製のV型8気筒4カムシャフトユニットは、のちにモータースポーツでも活躍した傑作。日本仕様では205psを発生した。




1979年式 フェラーリ 308GTB(日本仕様)

SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4350×1730×1150
ホイールベース(mm) 2340
トレッド前/後(mm) 1460/1460
車両重量(kg) 1440
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 2926cc
最高出力(ps/rpm) 205/6600
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/5000
ボア&ストローク(mm) 81×71
圧縮比 8.8:1
変速機 5速MT
サスペンション 前後ともウイッシュボーン+コイル
ブレーキ形式 前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 205/70VR14


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1979年式 フェラーリ 308GTB(全3記事)

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【1】から続く

text:HIROMI TAKEDA/武田公実 photo:MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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