NA/NB/NC/ND、いざ再考。マツダ・ロードスター| 歴代ロードスター大集結!!

4世代のロードスターが集結!

       
新しくなった第4世代のNDマツダ・ロードスターは、初代NAのライトウェイトスポーツ路線に立ち返って登場した。逆に、NDの登場によりNAが持つライトウェイトのシンプルな良さが際立つことになった。いざ再考、NAである。

【歴代ロードスター大集結!!】

 2015年5月マツダ・ロードスターが第四世代のNDへと進化。1989年に登場した初代NAロードスターから数えて26年目の出来事だ。

 ほぼ2016年4月に達成した累計生産台数は100万台。日産フェアレディZと並ぶロング&ベストセラースポーツカーとして、世界規模でファンを魅了する人気のシリーズである。

 原点となる初代NAが意図したライトウェイトスポーツカーというコンセプトから、軽量コンパクトでドライバーの意のまま小気味よく走るスポーツカー像を目指した現行型ロードスターの登場時を振り返りながら、4世代のロードスターを見ていこう。




>>【画像25枚】初代ロードスターとなるNAからNDまでのスタイリング、インテリアなど

 もともとロードスターは、車種の多様化が進み、趣味性の強いモデルも支持されたバブル期の車両だけに、ぜいたくな設計、構造が採り入れられていた。

 まず、FRレイアウトの2シータースポーツカーの設定だ。この時代、ほとんどの実用車両はFF方式。新たに専用シャシーを起こす必要があった。何台売れるか分からないスポーツカーのために、多額の開発コストが必要となるシャシー開発は大きな冒険だ。

 シャシーメカニズムも凝っていた。いや、こだわっていた、と言ったほうが正しいだろう。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンション、パワートレーンユニットを支えるパワープラントフレームの採用など、コスト優先では考えられないメカニズムを、当然という感覚で採用してきたのである。
 許した会社も会社なら、ここまでこだわった開発陣も相当なものである。この両者が揃い、初めてロードスターは日の目を見たわけだが、何よりも開発陣にライトウェイトスポーツを知り、愛する人材がいたことが、このモデルの成功に直結した。

 余談ながら、開発陣のイメージセンサーにロータス・エランが捉えられていたことは言うまでもなく、実はこれが世界中のライトウェイトスポーツファンを魅了する大きな要因になったことは間違いない。
 NAロードスターが巧みだった点は、往年のライトウェイトスポーツを現代(当時)の技術とデザイン、ネオクラシック感覚で作り上げたことに尽きるだろう。実際、これを外した後発メーカーはことごとく敗退している。

 しかし、ロードスター自身も成長をとげる過程で、本来の持ち味であるライトウェイト色が希釈されていった。基本骨格を同一とする第2世代NBはNAの正常進化と大差なかったが、主要市場となる北米で動力性能、サイズ感の不満を指摘され、排気量とボディボリュームを引き上げた第3世代のNCは、NA/NBとは異なる路線に踏み込んでいた。

 そして英断。第4世代のNDは再びNAのコンセプトに立ち返った。逆に言えば、NAのコンセプトは、時代に左右されないライトウェイトスポーツの本質だったことになる。
 現代によみがえったNA、それがNDとも言えるだろうが、スポーツカー好きにとってはNA、それに準じたNBには、電子制御で固められたNDにない魅力がある。それは、NA/NBには自分好みに仕立て直せる自由度がある、ということだ。


 新型の登場を機に再認識されたNA/NBの真価。今だからこそ分かるこの魅力を、本誌は改めて追いかけてみることにした。

歴代ロードスター大集結!

text:AKIHIKO OUCHI / 大内明彦 photo : MASAMI SATO/佐藤正巳

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