ライトウエイトスポーツ受難の時代。救世主として現れたロードスター|1995年式 ユーノス ロードスター Vol.1

リトラクタブルヘッドライトを開けると、一気に愛嬌のある顔つきとなるロードスター。ヘッドライトはレイブリック製に交換してHID化。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1995年式 ユーノス ロードスター Vol.1】

 1960年代にイギリスで生まれ、絶大な人気を誇ったライトウエイトスポーツ。軽量コンパクトなボディにセダン用のエンジンを搭載し、軽快な走りを楽しむ……。そんなクルマを、多くの人がこよなく愛していた。しかし、70年代に入るとアメリカで安全性や排ガス規制が強化され、多くのライトウエイトスポーツが消滅。市場は衰退し、その後しばらくはライトウエイトスポーツ受難の時代となってしまった。

 そこに救世主として現れたのがユーノス・ロードスターだ。ロードスターは、1989年9月の日本国内デビューに先駆け、アメリカのシカゴモーターショーで「MX‐5」として発表。理想のライトウエイトスポーツを目指して「人馬一体」というキーワードのもと開発された。軽快で素直なドライブフィールを得られるFRレイアウトを核に、4輪ダブルウイッシュボーンやミッションとデフを結合するパワープラントフレーム(PPF)を採用。さらに、エンジンをフロントミッドシップに配置し、アルミ製のボンネットとラジエーターを装備。加えて、燃料タンクをシート後方に配置し、バッテリーをトランク内に設置することで、50対50という理想的な前後重量バランスも実現した。そして、ボディサイズを全長4m以下とし、車重も1トン以下に抑えるなど、走る楽しさを徹底的に追求したパッケージングとしたのだ。

>>【画像20枚】ワーク・マイスターCR01、カラーはカスタムオーダープランのリムアレンジで、マットカーボンディスクにブロンズアルマイトリムの組み合わせ。8J×15+20となるホイールサイズなど



取材車両は純正オプションのハードトップを装着。マットブラックに塗装され、ホワイトのボディとのコントラストが、クラシカルかつスパルタンな印象を与える。





ダックテール形状のリアスポイラーはジェットストリーム製。本来はハイマウントストップランプがトランクに埋め込まれているが、スポイラーを装着したことでカバードされている。





マフラーはフジツボのパワーゲッターをチョイス。合わせて、サード製のスポーツキャタライザーを装着し、排気系をトータルでチューン。




1995年式 ユーノス ロードスター(NA8C)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3955×1675×1235
ホイールベース(mm)  2265
トレッド前/後(mm) 1405 / 1420
車両重量(kg)  980
エンジン型式  BP-ZE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1839
ボア×ストローク(mm) 83.0×85.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps / rpm) 130 / 6500
最大トルク(kg-m / rpm) 16.0 / 4500
変速比 1速 3.136 / 2速 1.888 / 3速 1.330 / 4速 1.000 / 5速 0.814 / 後退 3.758
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 175.5万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1995年式 ユーノス ロードスター(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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