所有したのはチェイサーのみ「前期セダンのアバンテは、ナンバー付きで現存しているのは10台もないようです」|1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ Vol.2

インパネまわりは純正を生かしながら、各部を好みに合わせてカスタマイズ。ステアリングはクラシックなデザインが特徴となるナルディのANNI ’50を装着。

       
1980年代から2000年代初頭まで日本のアッパーミドルサルーンはマークⅡ3兄弟中心に世界が回っていた。とくに3兄弟が揃った80年代はハイソカーブームを巻き起こすと同時に先頭に立って時代を動かした。
まさに80年代を象徴する一台となったマークⅡ3兄弟を3世代にわたって分析&紹介していこう。
※特集内では特定の車種・グレードを示す場合を除き、各世代を示す表記を一般的な通称となる61/71/61系またはシリーズとしています。

【1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ Vol.2】

【1】から続く


 今回の取材車両もアバンテとなるが、オーナーによると「前期セダンのアバンテは、ナンバー付きで現存しているのは10台もないようです」というほど希少な存在。チェイサーはやはりハードトップが人気で、生き残っているのは圧倒的に後期が多いとのこと。そんなレアな個体は、新車から親子2代で乗り継がれている。「私がまだ10歳にもならない1982年に父が新車で購入したクルマなんです。私が21歳のときに父が他界してからは、父に代わって所有してきました」とオーナー。30年以上に渡り乗られ続けてきた、まさにオーナー家の愛車なのだ。

「人生の大半をともに過ごしたクルマなので、これからも大切にしていきたいです」と語るオーナー。希少なクルマを後世に残していってほしい。

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>>【画像16枚】純正ホイールキャップに似たデザインがお気に入りのホイール。エンブレムマークをオーダーで作ったポッティングシールを貼って純正風に仕上げるセンターキャップなど




61系は前期の上級グレードの一部のみにウッドのシフトノブが標準。





オーディオのヘッドユニットはナカミチのTD- 1200SE。スピーカーなども含めて、オーディオはナカミチで統一する。下の追加メーターはオオモリで、右が油圧、左が油温。





フロントシートはレカロのLX-M。ボディカラーに合わせてブルーでコーディネート。


OWNER’S VOICE/所有したのはチェイサーのみという純血!


 セカンドカーを除けば、オーナーはこれまでGX61チェイサーしか所有したことがないそうだ。「免許を取ってからは前期セダンのアバンテ、後期ハードトップのアバンテ・ツインカム24、前期ハードトップのアバンテの順で所有してきました。家族のクルマがこの個体(今回の撮影車両)でしたから、家にはチェイサーが2台あったことになりますね」とオーナー。それだけにチェイサーの知識は膨大で、ここでは書ききれないほどだった。


1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ(GX61)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4640×1690×1425
ホイールベース(mm) 2645
トレッド前/後(mm) 1390 / 1395
車両重量(kg) 1215
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps / rpm) 125 / 5400
最大トルク(kg-m / rpm) 17.5 / 4400
変速比 1速 3.566 / 2速 2.056 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.850 / 後退 4.091
最終減速比 3.909
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 70HR14(前後とも)
発売当時価格 190.9万円



初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ(全2記事)

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【1】から続く

Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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