室内長、室内高ともハードトップよりセダンのほうが広い61系チェイサー|1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ Vol.1

じつは前期でも一度改良があり、グリルのメッキ使用部分が増えるなど、若干異なっている。ヘッドライトはレイブリックのHIDに変更。

       
1980年代から2000年代初頭まで日本のアッパーミドルサルーンはマークⅡ3兄弟中心に世界が回っていた。とくに3兄弟が揃った80年代はハイソカーブームを巻き起こすと同時に先頭に立って時代を動かした。
まさに80年代を象徴する一台となったマークⅡ3兄弟を3世代にわたって分析&紹介していこう。
※特集内では特定の車種・グレードを示す場合を除き、各世代を示す表記を一般的な通称となる61/71/61系またはシリーズとしています。

【1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ Vol.1】

 初代ではマークⅡの兄弟車として、より若年層向けという位置付けを与えられたチェイサー。2代目の61系は、クレスタを加えて3兄弟となったことで、その個性を一段と濃くした。1G型系エンジンの搭載やスプリングとダンパー、スタビライザーを強化したハーダーサスペンションの採用など、メカニズムは3兄弟共通だが、デザインで差別化。4ドアハードトップは横基調のグリルや細長のリアコンビランプ、セダンはスラントノーズに合わせた異形2灯ヘッドライトや小振りのリアコンビランプで、マークⅡに対してスポーティーな味付けにしている。




赤みの入ったサーフブルーメタリックは、全塗装で新車時の色に復活。


 また、61系で特徴となるのはチェイサーの代名詞でもあるアバンテを新設定したこと。前述のハーダーサスペンションやミシュランタイヤ、電磁ドアロックなどの豪華な装備は、最上級の名に恥じない充実したものだった。

>>【画像16枚】「後席に祖父を乗せることが多かったので、父がセダンを選んだんです」と当時を振り返るオーナー。室内長で40mm、室内高で25mmもハードトップよりセダンのほうが広い室内など






1G-EU型のシングルカム独特なフィーリングが好きというファンは意外と多く、オーナーもその一人。2011年6月に約30年で初めてエンジンをオーバーホール。その際にヘッドカバーをピンストライプ入りの鏡面仕上げとした。





ヘッドカバーの「1G-EU」の文字はムーンアイズでお馴染みのピンストライパー、ワイルドマン石井さんに実際に描いてもらったもの。オーナーお気に入りのひとつ



1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ(GX61)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4640×1690×1425
ホイールベース(mm) 2645
トレッド前/後(mm) 1390 / 1395
車両重量(kg) 1215
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps / rpm) 125 / 5400
最大トルク(kg-m / rpm) 17.5 / 4400
変速比 1速 3.566 / 2速 2.056 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.850 / 後退 4.091
最終減速比 3.909
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 70HR14(前後とも)
発売当時価格 190.9万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 トヨタ チェイサー セダン アバンテ(全2記事)

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Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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